乳汁[語句情報] » 乳汁

「乳汁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乳汁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
ス二尊者の頭顱《されこうべ》各五箇ずつ保存恭拝され、欧州諸寺に聖母《マドンナ》の乳汁《ちち》、まるで聖母は乳牛だったかと思わるるほど行き渡って奉祀され居るがごと....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
にも聞こえる。人間も初めのうちはやはり地から生まれ、そうして地の細孔から滲出する乳汁によって養われていた。しかしその後に地がだんだん老衰して来たから、もう産む事....
十二支考」より 著者:南方熊楠
。蛇に咬まれた時これをその創《きず》に当つれば、たちまち毒を吸って緑色となるを、乳汁に投ずれば毒を吐いて白色に復《かえ》り乳は緑染す。かように幾度も繰り返し用い....
十二支考」より 著者:南方熊楠
るを知るべし。マルコ・ポロいわく、元世祖上都に万余の純白馬を畜《か》い、その牝の乳汁を自身と皇族のみ飲む、ほかにホリアッド族、かつてその祖父|成吉思汗《ジンギス....
ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
気予防のために、なるべく動物質をたべないというのであります。則《すなわ》ち肉類や乳汁を、あんまりたくさんたべると、リウマチスや痛風や、悪性の腫脹《しゅちょう》や....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
吸付いて、小さな両手で揉《も》み立《た》て揉み立て吸出すと、甘い温《あった》かな乳汁《ちち》が滾々《どくどく》と出て来て、咽喉《のど》へ流れ込み、胸を下《さが》....
十二支考」より 著者:南方熊楠
だったでしょう。〈婦女の身三種大過、何ら三と為す、いわゆる婦女の戸門寛大なる、両乳汁流るる、これ三種と名づく〉(『正法念処経』四五)、されば「都伝摸《とても》年....
幼年時代」より 著者:堀辰雄
のおっぱいだといって、何か気ちがいのようにきゃっきゃっといってふざけながら、その乳汁を方々へこすりつけたりした。 そんな夏ももう終ろうとする或る午後だった。そ....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
二 母性愛 私の目に塵が入ると、私の母は静かに私を臥させて、乳房を出して乳汁を目に二、三滴落してくれた。やわらかくまぶたに滲む乳汁に塵でチクチクしていた....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
んな餓鬼やホイ 私の目に塵が入ると母は私を臥かして、胸をひろげて乳房を出して、乳汁を目の中に二、三滴落した。 やわらかい、暖かい乳汁の目ぶたににじむ感じ。そ....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
銘酊船 さてわれらこの日より星を注ぎて乳汁色の 海原の詩に浴しつゝ緑なす瑠璃を啖ひ行けば こゝ吃水線は恍惚として蒼ぐも....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
二頭は仔である。 「これはヴィクンヤだ」 とゴルドンがいった。 「ヴィクンヤに乳汁があるだろうか」 「あるとも」 「よし、乳汁が飲めるな、ヴィクンヤ万歳!」 ....
おさなごを発見せよ」より 著者:羽仁もと子
だんにわかってきました。くわしくいえば、そのはじめにはおそらく赤ん坊を産んだ母の乳汁《ちち》が出る、赤ん坊の方は強い飢えを感じて、偶然的に必然的に母の乳房に吸い....
食道楽」より 著者:村井弦斎
は忽《たちま》ち隠れて見えざるべし。それへ少しずつ水を加えて振盪《しんとう》し、乳汁の薄くなりて黒線の一、二と数え得るに至らばその乳汁の達したる盛目を見よ。三の....
古事記」より 著者:太安万侶
た。それで赤貝姫が汁《しる》を搾《しぼ》り集《あつ》め、蛤貝姫がこれを受けて母の乳汁として塗りましたから、りつぱな男になつて出歩《である》くようになりました。 ....