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乳臭い
「乳臭い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乳臭いの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
鳴くような、嗄《しわが》れた声が起りました。
「やい、ここなうっそりどもめ。まだ
乳臭いこの殿の口車に乗せられ居って、抜いた白刃を持て扱うばかりか、おめおめ御意に....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
ある。自分の鉱山行などもその時そのままの心持を、日記にでも書いて置いたら、定めし
乳臭い、気取った、偽りの多いものが出来上ったろう。とうてい、こうやって人の前へ御....
「御身」より 著者:横光利一
。 (待て、こりゃ俺に似とるぞ。) 彼は姪の唇を接吻した。つるつる滑《すべ》る
乳臭い唇だ。姪は叔父を見ながら蝸牛《かたつむり》のような拳《こぶし》を銜《くわ》....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
て、出てきた。彼等はその何処からでも、陸にある「自家」の匂いをかぎ取ろうとした。
乳臭い子供の匂いや、妻のムッとくる膚の臭いを探がした。 ………………………………....
「家」より 著者:島崎藤村
っていた。蚊の声がウルサく耳について、しばらく彼は眠られなかった。枕頭の方では、
乳臭い子供の香をたずねると見え、幾羽となく集って来ていた。蚊帳の内にも飛んでいた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かけによらねえ図々しい奴だ。それならば、こっちも天下の道庵だ、胆吹山の根っこで、
乳臭い娘に、とっちめられて音を上げてしまったと言われちゃあ、末代までの名にかから....
「農村」より 著者:宮本百合子
ましい様な音をたてて居る。 わきに少しはなれて子牛と母牛を入れてある処がある。
乳臭い声で「ミミミミ」と甘える声や、可哀くてたまらない様にそれに答える母牛の声が....
「雁」より 著者:森鴎外
ったのだ。 そこで己はどうだ。金の出来るまでは、人になんと云われても構わない。
乳臭い青二才にも、旦那と云ってお辞儀をする。踏まれても蹴られても、損さえしなけれ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
思で」 「まさか――」 武蔵は笑いながら、膝を解いて、うしろに手をつかえ、 「
乳臭いわしが、今から何で――。先にいった大望もある。あれやこれ、慾もこれから。迷....