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乾燥無味
「乾燥無味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乾燥無味の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
手《じょうず》だったがこのごろできるか、できるならそれを見せてほしい、軍隊生活の
乾燥無味なのには堪《た》えられないからとしてあった。そしてあて名は愛子、貞世の二....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ののごとくに云う。「ところがその問題がマグネ付けられたノッズルについてなどと云う
乾燥無味なものじゃないんだ。首縊りの力学と云う脱俗超凡《だつぞくちょうぼん》な演....
「錯覚自我説」より 著者:辻潤
熟読せしめた。かれは一面すばらしき詩人でもある。決して単なる形式論理的、講壇的、
乾燥無味的哲学者ではない。 新著『循環論証の新世界観と錯覚自我説』とは氏の哲学....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、近年は甚だ出不精になって、旅行する機会もだんだんに少なくなったが、停車場という
乾燥無味のような言葉も、わたしの耳にはなつかしく聞えるのである。(大正15・8「....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
デカルトやヘーゲル――を拒絶しよう。なぜならこれ等のものは、詩というべくあまりに
乾燥無味であって、知性の意味が勝ちすぎているから。 では学術のどの辺から、詩の....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
ine 十八番地に落ち着きますことにいたしましょう。 わたくしはこんなに手短に
乾燥無味に書きます。これは少し気分が悪いからでございます。電信をお発し下すったな....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
れが篠田とは浅からぬ関係があるように思われまする、小宮山はどの道一泊するものを、
乾燥無味な旅籠屋に寝るよりは、多少|色艶っぽいその柏屋へと極めたので。 さて、....
「アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
必須でない科目を削るがいい。『世界歴史』と称するものなどがそれである。これは通例
乾燥無味な表に詰め込んだだらしのないものである。これなどは思い切って切り詰め、年....
「或教授の退職の辞」より 著者:西田幾多郎
る、私もそれを否定するだけの自信も有ち得なかった。しかしそれに関らず私は何となく
乾燥無味な数学に一生を托する気にもなれなかった。自己の能力を疑いつつも、遂に哲学....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
といわれる事柄の羅列に過ぎなくなる。この覚書とても冷静が要求されればされるほど、
乾燥無味な叙述にならざるを得ない。 鶴見と目を見合せているのは貴族ともいわるべ....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
って、文化の殿堂を建設しよう。日本の社交は、今なお花柳界の力をかりるにあらざれば
乾燥無味で、成立しない現状である。そこに、新橋柳橋赤坂は言わずもがな、清く、正し....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
別、近年は甚だ出不精になって、旅行する機会もだんだんに少くなったが、停車場という
乾燥無味のような言葉も、わたしの耳にはなつかしく聞えるのである。(大正十五年八月)....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
福が駄目になる。
これ程の顕現の満ち満ちている刹那を、
あの抜足をして歩くような
乾燥無味な男が妨げるのか。
(ワグネル寝衣を著、寝る時被る帽を被り、手に燈を取....