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乾草
「乾草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乾草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
は腹黒、 鳶色《とびいろ》眼玉はおばァけ。 五月のみつばち 五月のみつばちゃ、
乾草《ほしくさ》一駄《いちだ》よ。 六月のみつばちゃ、 銀のさじとおなじ価《ね》....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
澄まし、何か一つの物音を聴き取ろうとするもののようであった。そこは、空気の湿りを
乾草が吸い取ってしまうためか、闇が粘《ね》とついたようにじめじめしていて、時おり....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
の周囲には、藁《わら》やごみを散らかしてあった。 処々に、うず高く積上げられた
乾草があった。 荷車は、軒場に乗りつけたまま放ってあった。 室内には、古いテ....
「橇」より 著者:黒島伝治
入口の扉が開いて、踵の低い靴をはいた主婦が顔を出した。 馭者は橇の中で腰まで
乾草に埋め、頸をすくめていた。若い、小柄な男だった。頬と鼻の先が霜で赭くなってい....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
町の端頭と思う、林道の入口の右側の角に当る……人は棲まぬらしい、壊屋の横羽目に、
乾草、粗朶が堆い。その上に、惜むべし杉の酒林の落ちて転んだのが見える、傍がすぐ空....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
い女中ロウジイヌが蓄音器をかけて行って呉れたのだ。野は一面に野気の陽炎。香ばしい
乾草の匂いがユングフラウを中心に、地平線の上へ指の尖きを並べたようなアルプス連山....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
りながらいそいではいった。私は彼女の手と握り合っていた。彼女の呼吸が近くできこえ
乾草のようなにおいを感じた。 「故郷はいいよ。松原があって、しろおい砂浜があるの....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
それは田舎の夏のいいお天気の日の事でした。もう黄金色になった小麦や、まだ青い燕麦や、牧場に積み上げられた
乾草堆など、みんなきれいな眺めに見える日でした。こうのとりは長い赤い脚で歩きまわ....
「穴」より 著者:黒島伝治
ら離れて、ほかの形而上的な考えを追おうとしている様子が見えた。 小川を渡って、
乾草の堆積のかげから、三人の憲兵に追い立てられて、老人がぼつ/\やって来た。頭を....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
るようにしたりした。おりをみて、彼は百姓を手つだって、かるい畑仕事をしてやった。
乾草つくりに手をかしたり、垣根をなおしたり、馬に水をのませに連れていったり、牝牛....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
ッタ、ラタ、ラッタラー、 マーケットの日に、 私は初めてペッギーを見た。 彼女は
乾草の上に腰を下ろして、 低い幌馬車を駆って居た。 タラッタ、ラタ、ラッタラー、....
「夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
こと、どこもかしこもきびしい暑さでした。なかでもつい四五日まえに刈り入れの済んだ
乾草が、禾堆をなして並んでいる庭の草場は、またひとしおの暑さでありました。という....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
凍るように冷たくかたまって黒く見えます。私はひとりで外套を着て海べを歩きました。
乾草の堆や小舎などある畑の側の広場に立って、淋しい月あかりの海を見て立ちました。....
「国境」より 著者:黒島伝治
た。倉庫の鍵を外套から氷の上へガチャッと落した。やがて、橇に積んだボール紙の箱を
乾草で蔽いかくし、馬に鞭打って河のかなたへ出かけて行った。 「あいつ、とうとう行....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ト、道端の虎杖、そうして樺太蕗。 立ちつづく電柱の薄紫の碍子、針金。 麦粉、
乾草を積んで東し西する荷馬車、また俵のうえに眠ってゆく少年。 ああ、なんだかフ....