乾鮭[語句情報] » 乾鮭

「乾鮭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乾鮭の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野分」より 著者:夏目漱石
十一 今日もまた風が吹く。汁気《しるけ》のあるものをことごとく乾鮭《からさけ》にするつもりで吹く。 「御兄《おあにい》さんの所から御使です」と....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
この塔である。草のごとく人を薙《な》ぎ、鶏《にわとり》のごとく人を潰《つぶ》し、乾鮭《からさけ》のごとく屍《しかばね》を積んだのはこの塔である。血塔と名をつけた....
田舎教師」より 著者:田山花袋
炊生活は清三にとって、けっきょく気楽でもあり経済でもあった。多くは豆腐と油揚げと乾鮭とで日を送った。鮒の甘露煮は二度目に煮た時から成功した。砂糖をあまり使い過ぎ....
足迹」より 著者:徳田秋声
た。早手廻しに笹の立った通りなどもあった。賃餅の張り札や、カンテラの油煙を立てて乾鮭を商っている大道店などが目についた。 やがて湯島の伯母の家の路次口に入って....
連環記」より 著者:幸田露伴
もの所為が尽く気に入らなかったのであろう。衛府の大官が立派な長剣を帯びたように、乾鮭の大きな奴を太刀の如くに腰に佩び、裸同様のあさましい姿で、痩せた牝牛の上に乗....
多神教」より 著者:泉鏡花
老猿の面を被り、水干烏帽子、事触に似たる態にて――大根、牛蒡、太人参、大蕪。棒鱈乾鮭堆く、片荷に酒樽を積みたる蘆毛の駒の、紫なる古手綱を曳いて出づ)きゃッ、きゃ....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
う》に耽《ふけ》りながら、骨のように唯一人で坐《すわ》っている。その背後の壁には乾鮭《からさけ》がさがり、戸外には空也念仏の声が通る。そして彼の孤独な影は、畳の....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
渉《わた》る 茯苓《ぶくりゃう》は伏かくれ松露《しょうろ》はあらはれぬ 侘禅師|乾鮭《からざけ》に白頭の吟を彫《ゑる》 五七六調、五八六調、六七六調、六八六調....