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亀甲形
「亀甲形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亀甲形の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
文庫は宗助が自分で持って行ってやる事にした。蒔絵《まきえ》ではあるが、ただ黒地に
亀甲形《きっこうがた》を金《きん》で置いただけの事で、別に大して金目の物とも思え....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。頭巾の色は緋無垢である。足には山袴を穿いていたが、それは樺色の鞣し革であった。
亀甲形の葛の筒袖に萌黄の袖無しを纏っている。腰に付けたは獲物袋でそれに黐筒が添え....
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
るので、人の鳶口に扶けられて上った、雪のおもては旋風にでも穿り返された跡らしく、
亀甲形の斑紋が、おのずと出来ている、その下には雪解の蒼白い水が、澄みわたって、雪....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
いものらしく思われる。 池の表面の氷結した上に適度の降雪があった時に、その面に
亀甲形の模様ができる、これには、一方では弾性的不安定の問題、また対流の問題なども....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
たとき、垂直線を引き落した、駭くべき壮大なる石の屏風がそそり立って、側面の岩石は
亀甲形に分裂し、背は庖刀の如く薄く、岩と岩とは鋭く截ち割られて、しかも手をかける....
「九州の東海岸」より 著者:宮本百合子
島も、確に珍しい見物の一つではあろう。太平洋に面した海岸の巖石が、地質の関係で、
亀甲形や菊皿のような形に一面並んでいる、先に南洋の檳榔樹、蘭科植物などが繁茂した....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
々立てた高張の明が射して、眼のあたりは赤く、四方へ黒い布を引いて漲る水は、随処、
亀甲形に畝り畝り波を立てて、ざぶりざぶりと山の裾へ打当てる音がした。拓を背にし、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
じめ、ADと合せ飲んでいます、眼底に充血があったり、こんなにまだ体が疲れて背中が
亀甲形にひびが入ったような気分がするようでは十月一杯程注射がいりましょう。医者も....
「街頭」より 著者:岡本かの子
の人もある。人形が人間らしく動く飾物を見ようとするのだ。 百貨店の大きな出庇の
亀甲形の裏から金色の光線が頸の骨を叩き付けるほど浴せかける。右から左から赤や水色....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
出た処の狭い路は、飛々の草鞋のあと、まばらの馬の沓の形を、そのまま印して、乱れた
亀甲形に白く乾いた。それにも、人の往来の疎なのが知れて、隈なき日当りが寂寞して、....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
鍔鳴をさせてピタリと鞘へ収め、刀箱の風呂敷包を解き、中から取出して見ると、白茶地
亀甲形古錦襴の結構な袋に這入って居ります。其の儘袋ぐるみ腰に差し、箱も風呂敷も川....