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亀鑑
「亀鑑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亀鑑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
が身分の大過無きを期し、ひとを憎まず愛さず、にこりともせず、ひたすら公平、紳士の
亀鑑、立派、立派、すこしは威張ったって、かまわない、と私は世の所謂お役人に同情さ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
だやっぱり、夫には貞女で、子には慈悲ある母親で、親には孝女で、社会の淑女で、世の
亀鑑ともなるべき徳を備えた貴婦人顔をしようとするから、痩せもし、苦労もするんです....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
なお負けぬ気な、その御気性、主水之介近頃いちだんと気に入ってござる。ましてや世の
亀鑑たるべき旗本中にかかる不埓者めが横行致しおると承わっては、同じ八万騎の名にか....
「花吹雪」より 著者:太宰治
敗する。けれども、成功者すなわち世の手本と仰がれるように、失敗者もまた、われらの
亀鑑とするに足ると言ったら叱られるであろうか。人の振り見てわが振り直せ、とかいう....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ちいって捕われたが、なお屈せずに敵を罵って死んだのは有名の史実で、彼は世に忠臣の
亀鑑として伝えられている。 それから九百余年の後、清の康煕年間のことである。会....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
おりますが……」 「うむ、その意味が解らぬそうな。それでは一つ例を引こう。武士の
亀鑑大石良雄は昼行灯であったそうな」 「お父上! ようやく解りました!」 「おお....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
としてあたりをはらって見える。 千三は呼吸もできなかった。 「いずれも皆忠臣の
亀鑑、真の日本男児じゃ、ああこの人達があればこそ日本は万々歳まで滅びないのだ」 ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
考え方で、その限り政友会も進歩したのだと思ってもいいが、併し夫は決して国体明徴の
亀鑑たる赤穂義士などの採った道ではない。――新官僚の機関としての内閣審議会には反....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、その領地の人民の心によほど深い感動を与えたようでございました。『小櫻姫は貞女の
亀鑑である』などと、申しまして、私の死後に祠堂を立て神に祀ってくれました。それが....
「中庸」より 著者:坂口安吾
いう約束ではないか。そもそも大佐は清廉潔白、身を持すること厳格、軍人中にあっても
亀鑑と申すべき謹直無比の将軍である。私利私欲、利己主義のかたまりのこの村の人間と....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
高祖や源頼朝などの君臣の例と比べて如何に美しく、乃木夫妻のようなのは夫婦の結びの
亀鑑である。リープクネヒトとローザ・ルクセンブルグとのようなのは師弟と盟友の美し....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
御事に言及するのはいかに些細なことであっても名誉であるが、この証人の示した気高い
亀鑑は、被告の従僕に伝染し、彼の心に、その主人の卓子の抽斗やポケットを調べ、主人....
「税所敦子孝養図」より 著者:上村松園
の歌の秀でていることによるのはもちろんであるが、女史はまた孝の道においても、人の
亀鑑となるべき人であったからである。 はじめ、女史はその歌道を千種有功卿に学ん....
「春心」より 著者:田中貢太郎
のことを聞きたかった。 「あの媽あは、どうしたのだ」 「みっちりかけあった、他の
亀鑑にならなくちゃならない富豪の細君ともあろうものが、怪しからんと云って、みっち....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
奉ずる正しい主義のためとか、そういう確信を以て奮う勇気は、常に正々堂々として世の
亀鑑となり、しかもその勇気は、撓まず滅せず、いやさらに燃えさかるのであります。 ....