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了解
「了解〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
了解の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
が途切《とぎ》れたのは、ほんの数秒の間《あいだ》である。男の顔には見る見る内に、
了解の色が漲《みなぎ》って来た。
「あれか?」
男は感動を蔽《おお》うように、....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
った。けれども含芳の顔を見た時、理智的には彼女の心もちを可也《かなり》はっきりと
了解した。彼女は耳環《みみわ》を震わせながら、テエブルのかげになった膝の上に手巾....
「少年」より 著者:芥川竜之介
伯母も一時にどっと笑い出した。が、必ずしもその笑いは機智《きち》に富んだ彼の答を
了解したためばかりでもないようである。この疑問は彼の自尊心に多少の不快を感じさせ....
「或る女」より 著者:有島武郎
ま過ぎるくらい想像ができた。木村は恋するものの本能からとうに倉地と葉子との関係は
了解しているに違いないのだ。
了解して一人《ひとり》ぽっちで苦しめるだけ苦しんでい....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
持ちがなくなってしまったのです。で、私は母や弟妹に私の心持ちを打ち明けた上、その
了解を得て、この土地全部を無償で諸君の所有に移すことになったのです。
こう申し....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
協を試みたのを見て、「不徹底」だと咎《とが》めている。私は今論者の心持だけは充分
了解することができる。しかしすでに国家が今日まで我々の敵ではなかった以上、また自....
「弓町より」より 著者:石川啄木
くし》して応対したということである。しかし、その事はけっしてその婦人がよく日本を
了解《りょうかい》していたという証拠にはならぬではなかろうか。 詩は古典的でな....
「親子」より 著者:有島武郎
手前でございますならまだいただきたくはございませんから……全くこのお話は十分に御
了解を願うことにしないとなんでございますから……しかし御用意ができましたのなら…....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
この書では少しもこれらの点に立入らないことにした。これについては読者の多数からは
了解してもらわれるであろうと信じる。これらの問題の考察は実際全然この書の目的とす....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
得るとして誰と戦うか。私は先に米州じゃないかと想像しました。しかし、よく皆さんに
了解して戴きたいことがあるのです。今は国と国との戦争は多く自分の国の利益のために....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
じ、何度もベルの鈕を押した。やっと運命の僕に教えた「オオル・ライト」と云う言葉を
了解しながら。 僕の姉の夫はその日の午後、東京から余り離れていない或田舎に轢死....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
たちの上へばらばらと空から降って来た。私は思わず息を呑んだ。そうして刹那に一切を
了解した。小娘は、恐らくはこれから奉公先へ赴こうとしている小娘は、その懐に蔵して....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
一しょにいると、何時も兄貴と一しょにいるような心もちがする。こっちの善い所は勿論
了解してくれるし、よしんば悪い所を出しても同情してくれそうな心もちがする。又実際....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ばかりで、同年九月第二学期から編入試験を受けて、早稲田大学に入った。もちろん父の
了解を得ず入学したものだから、家を飛び出して馬喰町の友人が経営する文房具店で働き....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
の積った箇所を見つけ出して緩々と腰かけて憩んで居るときなどその騒々しい気分がよく
了解されてくる。多くは極めて幽かな山風が松の梢を渡って行くために起る松籟が耳辺を....