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予後
「予後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
予後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
目にそこを飛出したのは、その年の秋の末であった。
残暑の頃から悩んでいた病気の
予後を上州の方の温泉場で養生していた養父が、急にその事が気にかかり出したといって....
「或る女」より 著者:有島武郎
」
「いゝえそんなでも」
もう許せないと葉子は思い入って腹を立てた。腸チブスの
予後にあるものが、食欲がない……そんなしらじらしい虚構《うそ》があるものか。みん....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
もお前たちだけの尊い所有物なのだ。
自動車のいる所に来ると、お前たちの中熱病の
予後にある一人は、足の立たない為めに下女に背負われて、――一人はよちよちと歩いて....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ここにおいて、三月六日切開手術を行い、腹水中に浮游せる膜嚢数十個を取り出せしも、
予後の衰弱のため、その日永眠せり。斯くの如く、余は幹枝に天女の一生を描かせ、一年....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
で、さしたる事ではないが、推してそういう場所へ出て、気配り心扱いをするのは、甚だ
予後のために宜しからず、と医家だけに深く注意した処から、自分で進んだ次第ではなく....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
召還した押鐘博士の帰京が、その翌日の午後になった事と、また一つには、津多子夫人の
予後が未だ訊問に耐えられそうもないという――以上の二つが決定的な理由のように思わ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
とも思えず、死ぬのも仕方がないと思っていた。 もうここまで来れば大丈夫だから、
予後の静養に温泉へでも行ってみるのもよかろうと、医師が言うので、六月の末母につれ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
っておこうかと惑っていた。しかし病床に仰臥しながら、捲紙に奔放な筆を揮って手術の
予後を報告して来た幾つかの彼女の手紙の意気ごみ方を考えると、寝てもいられないよう....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
ば、せっかく手術した大脳に、よくない影響を与えるだろう。逆らうことが、あの手術の
予後を一等わるくするのだ。だから儂は、すくなくとも毎週一度は、宮川氏の様子を遠方....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
も私を見てさすがに喜んで、色々温言を与えてくれた。父の病気は幸にもう快方に向い、
予後を注意するという位になっていたので、わざわざ看病に行ったけれども、私は何の用....
「或る女の手記」より 著者:豊島与志雄
を思った。未来は茫として霞んでいた。 私の病気は一ヶ月足らずのうちに快癒した。
予後の保養のためにぶらぶらしているうちに、十二月半ばのある天気のいい日に、私はお....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、真面目《まじめ》に働くつもりでいるらしかった。 彼は回復しかけていた。しかし
予後は長かった。その濫用された身体には養生が肝要だと、医者は明言した。それで彼は....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
来て、「林と同じに、孫のように思われる」といわれるのを私は笑ったことでした。その
予後が思わしくなくて、一生片足を引かれるようになりました。さぞ御不自由のことでし....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
れて、ひとえに輪廓の正しき雪かと見まがう、お夏の顔を熟と見ながら、この際大病人の
予後でもいいきけらるるを、待つごとく、愛吉|呼吸を殺して、つい居ると、 (こっち....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、身支度して出直さんと本郷に帰りけるに、早警官等は引取りつ。泰助は医師に逢いて、
予後の療治を頼み聞え、病室に行きて見るに、この不幸なる病人は気息|奄々として死し....