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予想外
「予想外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
予想外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
遇すると、たちまち不安を感じ出した。――水滸伝の一節が、たまたま彼の気分の上に、
予想外の結果を及ぼしたのにも、実はこんな理由があったのである。
この点において....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
なくなってしまいました。ところがその半月ばかりが過ぎてから、私はまた偶然にもある
予想外な事件に出合ったので、とうとう前約を果し旁《かたがた》、彼と差向いになる機....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
かしお島婆さんがそれを狂言だと思った揚句、とうとう自滅したなんぞは、どう考えても
予想外だね。これじゃ婆娑羅《ばさら》の神と云うのも、善だか悪だかわからなくなった....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
心を鎮《しず》めて、かの強権と我々自身との関係を考えてみるならば、かならずそこに
予想外に大きい疎隔《そかく》(不和ではない)の横たわっていることを発見して驚くに....
「予報省告示」より 著者:海野十三
経て、地上に匍い出した人達は、氷河期以前の約百分の一に過ぎない。しかしこの率は、
予想外の好成績である。 地球上に、春は訪れ、夏は来った。百花開き、樹海は拡がり....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
いじり廻したりして深夜に至るも、夜を忘れた一心不乱の態度が、何か夜の猛禽獣が餌を
予想外にたくさん見付け、喰べるのも忘れて、しばらく弄ぶ恰好に似ていた。切られた金....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。
「ウン疲労時の証言を信ずるな――とシュテルンが云うほどだからね。そこへ何か、
予想外の力が働いたとしたら、まさしく絶好な状態には違いないのだ。ただし何もかも、....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
て一層促進されはしたでしょうが、実はもう発火前から動いていたんですよ。多分地殻が
予想外に弱かったんだ。それに、この事は係長。もうあの時注意したではないですか。よ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
少し困る、などと彼は笑っていた。わたしは黙って彼の化粧法をながめていると、それは
予想外に簡単なものであった。女形といっても後室の年増役で、特別に美しく作る必要も....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
塔に送られ、女王の治世の終わるまで幽閉され放しになった。 彼女の猜疑は、こんな
予想外な形でいったん燃え上がったが、そのあとで再び鎮静に帰した。ついに、エセック....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
。柳行李に何杯だったかも聞き忘れた。 その鉱山は、その後採鉱方針よろしきを得て
予想外の繁栄をきたし、ここ数年来産金額も九州の鯛生を抜き、国内第一の金山になって....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
外が大阪百五十万の市民に配られたのは、三日前のことであった。それはまったく市民の
予想外のことであり、資本家も、労働者も、官憲も、誰もそれを知らなかった。ただ一人....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。 すると、何となく、『よろしい※もせず、本当に心残りなく終了しました。そして
予想外の好成績で合格しておりました」 そう語り続ける少年の、いたいけな姿を見守....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
。鎮南浦から神代丸に乗って大連に着いた。大連は当時「ダルニー」と言い、ロシア風の
予想外の大都会で、やたらに赤れんがの建物が目についた。放射道路の石畳の道を馬のひ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
月、私は参謀本部課長を拝命した。三宅坂の勤務は私には初めてのことであり、いろいろ
予想外の事に驚かされることが多かった。満州事変から僅かに四年、満州事変当初の東亜....