予知[語句情報] » 予知

「予知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

予知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
なかった。「お前は結局はここにすわるようになるんだよ」と事務長は言葉の裏に未来を予知しきっているのが葉子の心を一種捨てばちなものにした。「すわってやるものか」と....
富士」より 著者:岡本かの子
さと》さと敏感さは年経る毎に加わるらしく、天象歳時の変異を逸早く丘麓の住民たちに予知さすことに長けて来た。従来、ただ天気の変りを予知さすだけに、峯の頂の天に掲げ....
第五氷河期」より 著者:海野十三
の人知力では、天災を喰い止めるだけにいたっていない。そうではないか。火山の爆発の予知さえできていない。台風の通路を計算する力さえない。冷害の年がくることを予報す....
海底大陸」より 著者:海野十三
そうおどろくにあたらないのです」 「火山でもないとすると――では、海底地震でもが予知されたのですか」 「海底地震でもありません」 「では一たいどうしたというので....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
手に当って、殺人史上空前ともいう異様な死体が横たわっていようとは、その時どうして予知することが出来たであろうか。 第一篇 死体と二つの扉を繞って ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
じつに怖しいながら美しい火花に包まれた氷海嘯が、向うの谿へ落ちてゆく。よかった、予知したことがなによりだった。と、まず一安心となった。その翌朝のことだ。とつぜん....
金属人間」より 著者:海野十三
しく、けっして外出しなかったそうである。 「蜂矢君。きみはどうしてこんどの爆発を予知したのかね」 検事は、うしろをふりかえって、生命《せいめい》を拾うきっかけ....
恐竜島」より 著者:海野十三
。またもや恐竜が現われたとかんちがいしたらしい。 「犬ははなしたがいいよ、危険を予知することができるからそうしたまえ」 監督ケンが、玉太郎にいった。 玉太郎....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
上って来た。それでなくとも、鼻翼や目窪や瞳の光りなどにも、何となく、目前の不吉を予知しているような兆が現れているので、最早寸秒さえも吝まなくてはならぬ時期に達し....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
でね、手を見せました。……妻に、あんなかくし芸があるとは知りませんでしたよ。妻が予知して、これが当って、門生志願が秋田の産、僕の赴任が仙台という、こう揃ったのに....
妖怪学」より 著者:井上円了
う。神感とは、自然に神の感通告示ありて、遠路のことを感知し、あるいは未来のことを予知するの類をいい、神知とは、教育を受けず、経験に接せずして、自然に種々のことを....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
とから、お話をいたすつもりであります。(謹聴) 世間では、よく翌日の天気を今日予知するということを申します。実に不思議である、分かるわけがない、あるいは分かる....
迷信解」より 著者:井上円了
りたる次第である。その一例を挙ぐるに、「ある迷信家が卜筮者につきて、自己の生命を予知せられんことを請いたれば、筮者判断して曰く、『今より幾年の後、某月某日に必ず....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
しも見えなかった。父は恐く不意に殺されたのであろう。父は怖るべき危害の迫り来るを予知せずに突然死んだのであろう。 市郎は蝋燭を岩の罅間に立てて、一先ず父の亡骸....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
――」 手紙は参考として押収され、美和子はその場から連行された。 有松は死を予知していたか、あるいは何事か危険の身に迫るのを感じて、洋子へ電話をかけたもので....