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争奪戦
「争奪戦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
争奪戦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
限ってかかる実例を作り得たかといえば、それは一には各社とも長年にわたる監督・俳優
争奪戦に疲労し倦み果てた結果である。元来引抜きという語の持つ概念から考えてもわか....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
てしまつた。 田圃がスツカリ乾いて、馬耕が差し迫つて来ているというのに、若勢の
争奪戦に敗れた源治は、乾大根の尻尾みたいにしなびた顔を、さらに青くして寝こんでし....
「河明り」より 著者:岡本かの子
。しかし、堺屋の妻は、折角楽しんでいた子供が女であることやら、木下の生みの母との
争奪戦最中の関係からか、娘の出生をあまり悦びもせず、やはり愛は男の子の木下に牽れ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ら鎧武者が、角の上に馳け上る。そして、角の上の一平方ミリメートルにも足らぬ場所の
争奪戦をやっている。 「あれじゃ! あれじゃ! 蛙の子よ、わかったか? 人間はあ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
つ情念、老いてもまだ衰えぬ生存慾、力尽きて海中に噬み落された弱者、老大獣の必死の
争奪戦。 あっ、四方から挑みかかる、躍りかかる、 無慙――女獣は引っ裂かれた....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
。そしてその時走り寄ったラシイヌをさえも包囲した。 こうしてそこに訳の解らない
争奪戦が行われた。 二、三十人の人影は一言も物を云わなかった。彼らは一切無言の....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
てきた。しかし、それから十年も経ないうちに、又、今度は××を中心にして資本の属領
争奪戦が次第に鋭くなってきた。これは、新しい世界の分割に到る性質を持っている。而....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
なんだそうだ。そこで朱器台盤とやらがないと氏の長者になれないから、これをめぐって
争奪戦をやらかす。平安朝はテンヤワンヤさ。この時代に於ける儀式や虚器の人格化とい....
「九段」より 著者:坂口安吾
棋士たちの間には新聞社私製の九段が何だ、と云う反旗を示す者があるにしても、九段位
争奪戦というものがあって、当人もそれに参加して争って負けた以上は九段が何だと云え....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
人物と事件に還元されてしまう。本当の史実は百年間ぐらいの短期間に起った大和飛鳥の
争奪戦にすぎなくて、九州四国中国方面から攻めてきて大和を平定したニギハヤヒ系の物....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
」 こういう意味の手紙が京都にある香蔵から半蔵のところに届いた。 支配階級の
争奪戦と大ざっぱに言ってしまえばそれまでだが、王室回復の志を抱く公卿たちとその勢....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
正札主義」なぞの及ぶところでない。つくづく日本は広いと思わせられた。 一円七十銭
争奪戦 前に述べた「無言の正札主義」と「おしゃべりのゴマカシ流」とは、現代式営....
「たずねびと」より 著者:太宰治
なければ生きてゆけないようになったら、おれはもう、生きるのをやめるよ。にぎりめし
争奪戦参加の権利は放棄するつもりだからね。気の毒だが、お前もその時には子供と一緒....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
大きな二つの扉《とびら》がついている。その向こうが牧場になっている。その入り口の
争奪戦は猛烈なものだった。門の竪框《たてかまち》の上には血にまみれた手のあらゆる....
「エトナ」より 著者:野上豊一郎
んど見るべき何物も遺っていない。そのわけを尋ねて見ると、昔から各民族の断え間なき
争奪戦に曝されて、古くはドリス人に、アテナイ人に、カルタゴ人に、またローマ人に、....