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事始め
「事始め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
事始めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女百貨店」より 著者:吉行エイスケ
新聞のタクシーと、自転車で疾走する給仕の金ボタンと、江東一帯の工場地から聞える仕
事始めのサイレンの音響と人物の交錯のなかを、太田ミサコは小肥なボッブの昨夜の女記....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
フォルクスクンテ》大いに起こり、政府も箇人も熱心にこれに従事し、英国では昨年の政
事始めに、斯学の大家ゴム氏に特に授爵されたり。例せば一箇人に伝記あると均しく、一....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
しなく延びるのはけっして心持の好いものではない。 歳の改まる元旦から、いよいよ
事始める緒口《いとぐち》を開くように事がきまった時は、長い間|抑《おさ》えられた....
「野分」より 著者:夏目漱石
。 百円の金は聞いた事がある。が見たのはこれが始めてである。使うのはもちろんの
事始めてである。かねてから自分を代表するほどの作物《さくぶつ》を何か書いて見たい....
「河明り」より 著者:岡本かの子
質の人間もあるのでございましょうか」 と云ったが、すぐ気を変えて、「まあ、お仕
事始めのお邪魔をいたしまして、またいずれお暇のとき、ゆっくりお話を承りとうござい....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
れ端を、手早く書物の間に挟んで、それを証拠に古田の来た事をいいたてたのですが、検
事始め余人は騙せましたが、たちまち木村君に看破られたらしいのです。私はもういけな....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
で、広間をウロウロしながら、主水正の姿を探す。 「こうお山開きに手間どっては、お
事始めは棟梁《とうりょう》だけ登山させて、式をあげるんでございましょうか」 他....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ても、若い奴らが承知しねえ。かねておれが用意しておいた大仕事があるんだ。お前は仕
事始めに、それをやるんで。その代り骨が折れるぜ」 烏啼の声がだんだん、毒味を加....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
をして帰るまで、さほど機嫌を損じることもない。まず五月の風景は私の野外における仕
事始めのかき入れ時である。 ところが多少困ることにはこの安心な初夏風景は絵の構....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
城取立て当時の歴史と、人物とが、無言のうちに往来する。
慶長十五年六月二日より
事始め。家康の命によって、その第九子義直のために、加賀の前田、筑前の黒田、豊前《....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
てん》また聖天《しょうてん》これなり。今もインド人この神を奉ずる事盛んで、学問や
事始めや障碍《しょうげ》よけの神とし、婚式にも祀《まつ》る。障碍神《しょうげじん....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
まで庶務課の権大属でいた由井清氏に謀って、同氏も同行しようといったから、終に大参
事始めに内意述べて、いよいよ望み通りに藩費を以て洋学の修業をせよとの命を受けた。....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
母の間に内決して、先ず本人の意向如何を問い、父母の決したる所に異存なしと答えて、
事始めて成るの風なり。故に表面より見れば子女の結婚は父母の意に成り、本人は唯成を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しかしついにそれは落成をみた。 さっそく、木の香も新しい天龍寺の大本堂で、仏
事始めが、とりおこなわれた。 八月十六日。つまり後醍醐の命日だった。七回|忌で....
「アイヌ語学」より 著者:知里真志保
として、大手を振って学界をまかり通るところに、アイヌ語学界が全体として、まだまだ
事始めの状態を抜け切っていないということを痛感させられるのであります。(昭和28年5月27日放送)....