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「事実問題〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

事実問題の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
かのように」より 著者:森鴎外
なくてはならない。僕はそう行って行く積りだ。人間が猿から出来たと云うのは、あれは事実問題で、事実として証明しようと掛かっているのだから、ヒポテジスであって、かの....
道楽と職業」より 著者:夏目漱石
沢《ぜいたく》を極《きわ》めていると言わなければならぬのです。道徳問題じゃない、事実問題である。現に芸妓《げいしゃ》というようなものは、私はあまり関係しないから....
去年」より 著者:伊藤左千夫
元気で苦しさをまぎらかしたのも、姑息の安を偸んでわずかに頭を休めたのも月末という事実問題でひとたまりもなく打ちこわされてしまう。 臆病心がいよいよこうじてくる....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
るのだろう。この約束は恐らく人間的教養や官能的な訓練とは無関係な約束ごとだろう。事実問題として私は、この種の無道徳的軽風俗文学に本能的に我慢がならぬ。それが私の....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
この文学的道徳観念の特有な弱点から、まず注意して行かねばならない。 一体現在の事実問題として見る時、文学的道徳観念であるこのモラルは、どういう内容を与えられて....
青年」より 著者:森鴎外
ものの下に、坑道を穿って、基礎を危くしていると云っても好い。蒲団や煤烟には、無論事実問題も伴っていた。しかし煤烟の種になっている事実こそは、稍|外間へ暴露した行....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
問題なのである。どういう事情があって一体認識の権利が発生するのかである。この所謂事実問題と権利問題との媒介にこそ、認識の本当の解明があるべきだ。――処で、模写と....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
白感を伴わざるを得ないのである。――さて批判主義=構成説に於ける根本的な困難は、事実問題と権利問題との絶縁によって起こる。認識構成の諸原則は経験と共に始まるが、....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
悪いの倫理的な問題ではなくて、批評の客観性という見地から観察されなければならない事実問題なのだ。その弊害を論じるのは、その後からでなくてはならぬ。 無記名批評....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
版したり何かするものを、処罰しようとするのであった。それを目的としたかしないかは事実問題として該法の適用者側が決めることになるのであって、決して適用される人間と....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
っている我が同胞を救済するという大きな道徳的義務を果したばかりでなく、またそれは事実問題として大きな福祉を与えたものであり、または少くとも大きな害悪を防止したの....
人格の養成」より 著者:新渡戸稲造
皆様も御同感であろうと思う、ただどうして、うまい物を食ッて行こうか、という問題が事実問題でここが考え物だ。他の点においてもお話しになッた事を実行するに当ッて、ど....
彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
犯人が左利でない限り、一寸やり難《にく》い仕事です。これは決して小説ばかりでなく事実問題として重大な事です。犯人の右手を伸べた所に丁度相手の胸が来るような姿勢に....
死者の権利」より 著者:浜尾四郎
題はありませんよ」 とか又は、 「そんな事は探偵小説には有るかも知れませんが、事実問題としては考えられませんね」 とか、極めて簡単に片付けてしまうのが常であ....
正義」より 著者:浜尾四郎
様じゃありませんか」 「しかし決して危険はないわけだが」 「それは法律問題です。事実問題として危険がないとどうして云えますか。この事件にAのような証人が飛び出す....