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事無し
「事無し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
事無しの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
すか、何でも太郎殿はリセリウ街から馬車に乗たと仰有ッた様でしたが」倉子は一言の返
事無し、余は益々切込みて充分に問詰んとするに、何故か目科は此時邪魔を入れ「詰らぬ....
「運命」より 著者:幸田露伴
に至り、官を奪い、且曰く、聞く君が家|建文皇帝をかしずくと。彬驚いて曰く、全く其
事無しと。次の日、帝、楊、葉、程の三人と共に、呉江を出で、舟に上りて京口に至り、....
「花吹雪」より 著者:太宰治
を恨むこと我より甚しきはあるまじ。 九、起きてみつ寝てみつ胸中に恋慕の情絶える
事無し。されども、すべて淡き空想に終るなり。およそ婦女子にもてざる事、わが右に出....
「白くれない」より 著者:夢野久作
種子にして奈美殿の此上なく好み給ふ花なり。此村の名主の家のほか他所には絶えて在る
事無し。此処に蒔き置けば、夏の西日を覆ひ、庭の風情ともなるべきぞや。去年の春、此....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
ぎ逃げ去らんとするも、目くらみて急に走る事能わず。為めに小虫は身辺を囲みて離るる
事無し。 漸く小屋に帰り、火辺にて煙の為に小虫の害を脱するを得たり。実に尚一時間....
「断片(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
、ともかくも一つの世界に常住しているものが、一度そこをはなれてその外の世界を見る
事無しに自分の世界を正当に認識する事のいかに困難であるかという事実の一例にはなる....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
。貨物車の機関車を利用して本職自らバートン・モスまで行く行く調査したるも何等の変
事無し。』 駅長は困惑して髪の毛を掻むしった。 『こりゃ驚くべき発狂だ、フード....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
が、折角元の健康に復したのも、二日か三日で又衰え始めて、されば、何処が不良という
事無しに、唯ぶらぶらの病に均しく、腑抜けのように日を暮らしていた。月代毛も延びた....
「鈴が通る」より 著者:三好十郎
の音近づく。 青年 お晩でやす、婆さま。――(返事なし)役場の帰りだかい?(返
事無し)……くたびれただなあ。もう、よしゃ、いいに。……どうしただよ、婆さま? ....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
ころあお見逃し下せえ、貸元衆、真壁村の仙太郎、恩に着ますでござんす。へい……(返
事無し。その間、今井がこらえ切れずなって岩蔭から出て行きかける。加多も凹味から首....