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事物
「事物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
事物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
意にそうするらしい様子も見えなかった。少し鈍と思われるほど世事《せじ》にうとく、
事物のほんとうの姿を見て取る方法に暗いながら、まっ正直に悪意なくそれをなし遂げよ....
「弓町より」より 著者:石川啄木
がだいぶ混乱したが、一|括《かつ》すれば、今までの詩人のように直接詩と関係のない
事物に対しては、興味も熱心も希望ももっていない――餓《う》えたる犬の食を求むるご....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
物学に於て取り扱われる動物本能は、畢竟人間にある本能の投影に過ぎない。認識作用が
事物に遵合するのではなく、却って
事物(現象としての)が認識作用に遵合するのである....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るべきものはエジプト伝説の中にもまたホーマーの中にもあるのであるが、これによると
事物(人間)は次第次第に改善されていくのである。進化論によるとただ最も力強くかつ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
面を目の前に見せつけられた。 しかしその不正不義は僕の目には、ただ世間の単なる
事物として映り、単なる理論としてはいったくらいのことで、それが僕の心の奥底を沸き....
「生の拡充」より 著者:大杉栄
有効なる活動のみとなる。また生の必然の論理は、生の拡充を障礙せんとするいっさいの
事物を除去し破壊すべく、われわれに命ずる。そしてこの命令に背く時、われわれの生は....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
しい一瞥をなげつけた。 「そう。事件捜査に当る者は、一応現場附近に於けるあらゆる
事物に深い目を向けてみるべきだと思うね。殊に、その
事物が尋常でないときには、特に....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
。道中も彼は深い考えに沈み、ほとんど物も言わずに、往来の人とか、船とか、すべての
事物から、何物をか頭のなかに烙き付けようとでもするように、一々に注目して行った。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
も取り扱い難いのは、実にかの似而非科学者である。彼等は自分自身の媒体を通じてのみ
事物を観察し、そして自分自身の条件によりてのみ、
事物を評価せんとする。彼等の求む....
「妖怪学」より 著者:井上円了
まさしく人知以内にあるものなり。かつ超理的とは、わが感覚上接見することあたわざる
事物の本体に名づくるものにして、その体もとより直接の経験によりて知るべからざるも....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
います。これ、今日私が妖怪学を研究する大体の主意であります。 さて、この偶然に
事物が相合するということについては、これを仮に偶合もしくは偶中と申します。今この....
「迷信解」より 著者:井上円了
、まず内外の事情を考うることが必要である。 外部の事情とは、薄暮、夜中のごとき
事物の判明せざるとき、または山間深林のごとき寂寥たる場所、または死人のありたる家....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
ってこれを焚物にしているという話さえもきく。この際世界各国人の必要とすることは、
事物の根本に対する反省を新たにし、その認識を深くして、永遠の理想に向かって心を向....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
も、みなすでにその独立を失い、今や西洋の事々物々次第にわが民間に行われて、人その
事物の変化とともに、最も貴重なる独立の精神そのものをあわせて失わんとす。ただに日....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に分散して土地の領有を争うたのであった。 ナポレオンはその天才的直観力に依って
事物の真相を洞見し、革命に依って生じた軍事上の三要素を綜合してこれを戦略に活用し....