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「事象〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

事象の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の残滓である。それは反省――意識のふりかえり――によってのみ認識せられる。一つの事象が知識になるためにはその事象が一たび生活によって濾過されたということを必要な....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
断を吐き捨てて、法水は検事が書き終った覚書を取り上げた。それには、私見を交えない事象の配列のみが、正確に記述されてあった。 一、死体現象に関する疑問(略) ....
小説家たらんとする青年に与う」より 著者:菊池寛
説なのである。 すなわち、小説というものは、或る人生観を持った作家が、世の中の事象に事よせて、自分の人生観を発表したものなのである。 だから、そういう意味で....
志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
らい、その筆を惜しむ。一措も忽にしないような表現の厳粛さがある。氏は描かんとする事象の中、真に描かねばならぬ事しか描いていない。或事象の急所をグイグイと書くだけ....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
と同様に、有らゆる思想にも亦大変革を来したが、生活に対する文人の自覚は其の重なる事象の一つであろう。 二十五年前には文学は一つの遊戯と見られていた。しかも漢詩....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
だけが、頭蓋骨のなかからポイととびだしてきそうな気がした。その脳髄にはいろいろな事象が、まるで急廻転する万華鏡のように現れては消え、消えてはまた変って現れるので....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
が犯行を刺戟するのであった。杜はそれを彼女の口から聞いて、過去に於けるいろいろな事象を思い出して、なるほどと肯いたのであった。お千殺しの現場に落ちていた血痕も、....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の圧迫とても、ほぼこれに等しきものがある。 但しかくの如きは、人文史上の常套的事象であるから、あきらめねばならぬ。新らしい真理に対する迫害は、宗教と言わず、科....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の作詩は情趣に乏しかった。題材は自然、神話、伝説にわたって、各※異ってはいたが、事象の取扱はいずれも外面的で、どうやら合理的科学的な方法への傾向を持っていた。そ....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
して語をつけて行く中に、思想に中心が出来て来るといった風のものであった為、外界の事象と内界とが、常に交渉して居た。其結果として、序歌が出来、枕詞が出来た。交渉の....
謡曲と画題」より 著者:上村松園
も浄化されてゆくのは当然のことと言わねばなりません。 それで謡曲に描かれている事象はすべてこれ絵の題材と言っていいくらいでしょう。 よほどの高い内容をもった....
涸沢の岩小屋のある夜のこと」より 著者:大島亮吉
う事にすぎない。それでここでは記述のうえの都合からそれを同じ時と場所に於て起った事象の如くに取扱かったのである。 私らの仲間はいつも集る度ごとに「山」について....
現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
いかぎりどうしようもないことなのである。徳川末期に良寛和尚が生まれたような奇跡の事象が生ぜぬかぎり、今を昔に返すことはむずかしい。 かつて御殿山氏は、自邸に窯....
西航日録」より 著者:井上円了
仰ぎみて慕うことまみゆるがごとく、夢のなかでもあいめぐり会うがごとし。もろもろの事象は方寸のうちにあり、無限の時はまさに暮れなずもうとする。未来におけるほどよく....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
いる。無意識の中に持久戦争への予感が兆し始めておったのである。この事は人間社会の事象を考察するに非常な示唆を与えるものと信ずる。特に注意を要するは、作戦計画の当....