二の腕[語句情報] » 二の腕

「二の腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二の腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ったというのは、これであろう。――破れ畳の上から、往来の砂の中へ、斜めにのばした二の腕には、水気《すいき》を持った、土け色の皮膚に、鋭い齒の跡が三《み》つ四《よ....
少年」より 著者:芥川竜之介
いじゃなあい」と云うものもある。が、保吉は痛みよりも名状の出来ぬ悲しさのために、二の腕に顔を隠したなり、いよいよ懸命に泣きつづけた。すると突然耳もとに嘲笑《ちょ....
或る女」より 著者:有島武郎
と、古藤は始めて illusion から目ざめたふうではいって来た。葉子は左手を二の腕がのぞき出るまでずっと延ばして、そこにあるものを一払《ひとはら》いに払いの....
或る女」より 著者:有島武郎
ここち》よさは格別だった。仰向けになって、寒からぬ程度に暖まった空気の中に両手を二の腕までむき出しにして、軟らかい髪の毛に快い触覚を感じながら、何を思うともなく....
卑怯者」より 著者:有島武郎
》を切ってやりたかった。彼はいじいじしながら、もう飛び出そうかもう飛び出そうかと二の腕をふるわせながら青くなって突っ立っていた。 「えい、退《ど》きねえ」 と....
婦系図」より 著者:泉鏡花
時々|花片が浮ぶのであった。直に桃色の襷を出して、袂を投げて潜らした。惜気の無い二の腕あたり、柳の絮の散るよと見えて、井戸縄が走ったと思うと、金盥へ入れた硯の上....
海異記」より 著者:泉鏡花
に、はりもの板を斜めにして、添乳の衣紋も繕わず、姉さんかぶりを軽くして、襷がけの二の腕あたり、日ざしに惜気なけれども、都育ちの白やかに、紅絹の切をぴたぴたと、指....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
白い……」 「多謝。」 「逞しい。」 「取消し。」 「腕を、拳固がまえの握拳で、二の腕の見えるまで、ぬっと象の鼻のように私の目のさきへ突出した事があるんだからね....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
森の影が雲かと落ちて、その俤をうらから包んだ、向うむきの、やや中空を仰いだ状で、二の腕の腹を此方へ、雪のごとく白く見せて、静に鬢の毛を撫でていた。 白魚の指の....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
手拭で頬被りをしたもんです。 門附になる前兆さ、状を見やがれ。」と片手を袖へ、二の腕深く突込んだ。片手で狙うように茶碗を圧えて、 「ね、古市へ行くと、まだ宵だ....
女客」より 著者:泉鏡花
坊やは?」 「寝ました。」 「母は?」 「行火で、」と云って、肱を曲げた、雪なす二の腕、担いだように寝て見せる。 「貴女にあまえているんでしょう。どうして、元気....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
、目瞼の紅梅。黄金を溶す炎のごとき妙義山の錦葉に対して、ハッと燃え立つ緋の片袖。二の腕に颯と飜えって、雪なす小手を翳しながら、黒煙の下になり行く汽車を遥に見送っ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
娘で――御新客、鍋で御酒――帳場ばかりか、立込むと出番をする。緋鹿子の襷掛けで、二の腕まで露呈に白い、いささかも黒人らしくなかったと聞いている。 また……ああ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
浴衣の、糊の落ちた、しっとりと露に湿ったのを懊悩げに纏って、衣紋も緩げ、左の手を二の腕の見ゆるまで蓮葉に捲ったのを膝に置いて、それもこの売物の広告か、手に持った....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
そこで坐った、と、何ともないか。」 「ここが痛うございますよ。」と両手を組違えに二の腕をおさえて、頭が重そうに差俯向く。 「むむ、そうかも知れねえ、昨夜そうやっ....