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二子
「二子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「窮死」より 著者:国木田独歩
いている。 六人の一人は巡査、一人は医者、三人は人夫、そして中折れ帽をかぶって
二子《ふたこ》の羽織を着た男は村役場の者らしく、線路に沿うて二三間の所を行きつも....
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
。そして丸子《まるこ》から下目黒《しもめぐろ》に返る。この範囲の間に布田、登戸、
二子などのどんなに趣味が多いか。以上は西半面。
東の半面は亀井戸辺より小松川へ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
に出ると、街を貫いて、埃《ほこり》っぽい赤土《あかつち》道が流れている。それが、
二子《ふたご》山麓の、万場《ばんば》を発している十|石街道《こくかいどう》であっ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
機位もう侵入したことになった。西方の田中さんの畑に晴彦と共に出て空を見ていると、
二子玉川あたりの上空を越えてぞくぞく後続機が一機宛こっちへ侵入してくる。其の方向....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
多摩川の
二子の渡しをわたって少しばかり行くと溝口という宿場がある。その中ほどに亀屋という....
「運命」より 著者:幸田露伴
て子弟を王とすれば、皇族天下に満ちて栄え、人臣|勢を得るの隙無し。こゝに於て、第
二子|※を伊王としたり。藩王以下は、永楽に及んで藩に就きたるなれば、姑らく措きて....
「一坪館」より 著者:海野十三
くのは、こっちですかね」 「多摩川だね、多摩川なら、これをずんずん行けば一本道で
二子の大橋へ出るよ」 「ありがとう」 「買出し行くんかね、あっちは高いことをいっ....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
阿婆、これを知ってるか。 無理に外套に掛けさせて、私も憩った。 着崩れた
二子織の胸は、血を包んで、羽二重よりも滑である。 湖の色は、あお空と、松山の翠....
「連環記」より 著者:幸田露伴
慶滋保胤は賀茂忠行の第
二子として生れた。兄の保憲は累代の家の業を嗣いで、陰陽博士、天文博士となり、賀茂....
「露肆」より 著者:泉鏡花
って溝のふちに凍り着く見窄らしげな可哀なのもあれば、常店らしく張出した三方へ、絹
二子の赤大名、鼠の子持縞という男物の袷羽織。ここらは甲斐絹裏を正札附、ずらりと並....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ていることだが、後冷泉天皇の御宇にあって、奥州の酋長|阿部の頼時が、貞任、宗任の
二子と共に、朝廷に背いて不逞を逞ましゅうした、それを征したのが源|頼義、そうして....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
持の一人となったのであった。 六 世に越前家と云うは徳川家康の第
二子|結城宰相|秀康。その七十五万石の相続者|三河守忠直は、乱心と有って豊後に遷....
「荘子」より 著者:岡本かの子
とも紛飛|繚乱とも形容しようもない入りみだれた有様だった。 荘子は若くして孔老
二子の学に遊び、その才気をもってその知るところを駆使し学界人なき有様だった。だが....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
の裏は甲斐機に定ってるじゃないか、」と澄ました顔をしていた。それから、「この頃は
二子の裏にさえ甲斐機を付ける。斜子の羽織の胴裏が絵甲斐機じゃア郡役所の書記か小学....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
は遠州の人|貫名五郎重実なり、平家の乱に安房国に流されたり」と云い、その重実の第
二子たる貫名次郎重忠の第四子が、すなわち祖師日蓮だと云っているのである。次に永正....