二季[語句情報] »
二季
「二季〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二季の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
任も、その収入によりて難なく果たされき。 されども見世物の類《たぐい》は春夏の
二季を黄金期とせり。秋は漸《ようや》く寂しく、冬は霜枯れの哀れむべきを免れざるな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の同好者をあつめて「絵馬の会」というのを組織し、自分がその胆煎となって毎年の春秋
二季に大会を催すことにした。大会は山の手の貸席か又は料理茶屋を会場として、会員一....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
日に初めてそれを揚げに出ると、たちまちに糸が切れて飛んでしまった。 近年は春秋
二季の大掃除というものがあるので――これは明治三十二年の秋から始まったように記憶....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
をかいている。心持ちの悪いことはたとえようがなかった。 中学校々友会の会報が年
二季に来た。同窓の友の消息がおぼろ気ながらこれによって知られる。アメリカに行った....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ど、お極りの長し短しでいた処、お稲ちゃんが二三年前まで上っていなすった……でも年
二季の大温習には高台へ出たんだそうです……長唄のお師匠さんの橋渡しで。 家は千....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 「あの書画会というやつ、あれがいけないんです……柳橋の万八で、たいてい春秋
二季にやりますな、あれが先輩を傲《おご》らしめ、後進を毒するのです。それとても、....
「源氏物語」より 著者:紫式部
い」 と言って、権中納言は選んだよい小説の内容を絵にさせているのである。一年十
二季の絵も平凡でない文学的価値のある詞《ことば》書きをつけて帝のお目にかけた。お....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ろのものよりいいものを安く売っているとすれば、飽くまで研究して行く。 また春秋
二季には、京都、大阪、神戸方面から北海道方面に調査に出かける。朝鮮方面まで出かけ....
「競馬」より 著者:犬田卯
のだった――そいつが疫病やみのように村人の魂へとっついてしまった。 競馬は春秋
二季、あたかも農閑期に、いくらかの現なまが――たといそれは租税やなんかのためには....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
二十人あまりかかえているうえに、学校の講師をも兼ね、尚そのうえに若艸会では春秋の
二季に音楽会を催すことが例となっているから、奥住女史の生活はずいぶんと多忙であっ....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
積極にして秋冬は消極なり。蕪村最も夏を好み、夏の句最も多し。その佳句もまた春夏の
二季に多し。これすでに人に異なるを見る。今試みに蕪村の句をもって芭蕉の句と対照し....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
当の収入があったという。 留桶新調のほかに、留桶を毎日使用している客は、盆暮の
二季に幾らかの祝儀を番頭に遣るのが習であった。そんなわけで、辛抱人の番頭は金を溜....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
時の変る光景はよく解りました。しかしこの辺はチベットの内地と同じことで夏と冬との
二季に分つのが至当であります。実際もそうなって居りますので、この辺の土人でも春と....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ずから大なるは自然の勢いなり。つぎに天候を案ずるに、米国中いたるところ、ただ冬夏
二季の気候の厳酷なるもののみありて、春秋
二季の温柔なるものあらず。ゆえに、この間....
「西航日録」より 著者:井上円了
つきもなく、昨日は冬衣、そして今日は夏の装いとなる。) 欧州の気候はすべて冬夏
二季のみにて、春と秋との季節なし。ゆえに、四、五日の間に急に冬より夏に移り、昨日....