二手[語句情報] » 二手

「二手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
》す余綾《よろぎ》の浜を通り、岩崩《いわくえ》のかげを行く。 東の国へ行くには二手の道があった。一つは山寄りの道を辿るのと、一つは海を越えて廻って行く道とであ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の部下は、敵慨心を起す前に、悒鬱にならないわけにゆかなかった。 向うの集団は、二手に別れた。一隊は、局舎の周囲を、グルグル廻っては、しきりに発砲していた。他の....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
十六日 ◯湊君、間宮君、倉光君くる。湊君「大義」を示して、われを諭す。 ◯死の第二手段、夜に入るも入手出来ず、焦慮す。妻と共に泣く。明夜こそ、第三手段にて達せん....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
、赤沢脳病院の仮捜査本部は色めき立って来た。 間もなく増援されて来た警官隊は、二手に分けられて一部は市内へ、一部は脳病院の禿山を中心として郊外一帯へ、直ちに派....
白妖」より 著者:大阪圭吉
返して、そこの停車場で一行を待ちうけていた。 両方の停車場には、先着の警官達が二手に分れて監視していた。大月氏は、警部補を見ると直ぐに口を切った。 「もう別荘....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
ば、此度|許りは喜右衛門|尉が申す旨に同心ありて、然らば朝倉殿には織田と遠州勢と二手の内|何方へ向はせ給ふべきかと申せしにより、孫三郎何れへなり共罷向ひ申すべく....
暗号の役割」より 著者:海野十三
中へ踏みこむことを指名された部下たちは得意満面、にやりと笑った。 表と裏とから二手に分れて入った。烏啼の眼の前には戸締りなんか無いも同然だ。 「ばあやをひっく....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
械を調べる」 「さんせい、ぼくは時計の方だ」 二宮が叫んだ。 そこで四人は、二手に分れることになったが、まだロープをとくところまでいかない前に、とつぜん意外....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
におえないダブル・ヴイの三号に、博士を附けて買ってしまえ。第一手段に失敗したら第二手段、第二手段に失敗したら第三手段……。第十手段まで行くうちには、必ず成功する....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
石福海は、監禁室につづく通路を、はり番していることになった。 のこった四人は、二手に分かれることになった。 クイクイの神様の三浦と、ロップ島の酋長ロロとは、....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
谷局長と、貝谷という射撃のうまい船員と、そのほか六名の船員がのりこんだ。こうして二手にわかれて、また海を漂うことにした。 二号艇へのりこんだ古谷局長は、一同を....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
やっとわれにかえった。 「あっ、向こうへ飛びおりたぞ」 「逃がすな」 すぐさま二手にわかれて川上機関大尉のあとを追いかけた。が、機関大尉が、いつまでも追って来....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
手しかない。これが定跡だ。誰がさしてもこうだ。名人がさしてもヘボがさしても、この二手しかない。端の歩を突くのは手のない時か、序盤の駒組が一応完成しかけた時か、相....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
す。大丈夫で御座います」 小虎は然う云いながら、傘を捨て、平泳ぎに掛った。一手二手でも其水泳に熟達しているのが見えたので竜次郎は安心して、「兎に角此方へ……」....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
査は町の者共を従え、市郎は我家の職人や下男を率いて、七兵衛|老翁に案内させ、前後二手に分れて現場へ駈向った。夜の平和は破られて、幾十の人と火とが、町尽頭の方へ乱....