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「二歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
る力があるらしかった。乞食はほとんど夢遊病者のように、目はやはり上を見たまま、一二歩窓の下へ歩み寄った。保吉はやっと人の悪い主計官の悪戯《あくぎ》を発見した。悪....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
抽《ぬ》きけり。 車夫は諸声《いっせい》に凱歌《かちどき》を揚げ、勢いに乗じて二歩を抽き、三歩を抽き、ますます馳《は》せて、軽迅|丸《たま》の跳《おど》るがご....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
で蔵入《くらい》りにした奴さ。秋風が立っちゃあ遣り切れねえから、御用人を口説いて二歩借りて、これと一緒に羽織や冬物を受けて来た」 「不二屋へ運ぶのが忙がしいから....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
です。異人はみんなお金を持っているそうで、どこで両替えして来るのか知りませんが、二歩金や一歩銀をざくざく掴み出してくれるという話で、馬鹿に景気がいいんです」と、....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
然に動かなくなる。そのうえに、路がだんだん泥濘ってきて、一歩力を入れてのぼると、二歩ズルズルと滑りおちるという風だった。それを傍の棒杭に掴ってやっと身体を支え、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ている朱錦のつがいがある。それをどこへか売り込む口はあるまいか。売り手は二匹八両二歩と云っているのであるが、二歩はたしかに負ける。八両で売り込んでくれれば、宗匠....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
はそれを三|歩に買おうと言いますと、相手は大層よろこんで、いや三歩には及ばない、二歩で結構だというのを、父は無理にすすめて三歩に買うことにしました。なんだかお話....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
皆、休息をなさい。(一同退場。) 公子、美女と手を携えて一歩す。美しき花降る。二歩す、フト立停まる。三歩を動かす時、音楽聞ゆ。 美女 一歩に花が降り、二歩には....
火星兵団」より 著者:海野十三
う四、五分のうちに、君にもわかるだろう」 「なにっ」 相手の警官は、思わず一、二歩、うしろへ下った。 「――ということは、おれは偽警官の貴様をふんじばって、留....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ゃないか」 とふざけながら室内へ威勢よくとびこんだが、足を踏みいれること僅か一二歩で(しまった!)と思った。同時に、はっと挙手の敬礼をした。―― 無理もない....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ぬ。 「ツウチャン。」 とまた繰返せり。お通はうかうかと立起りて、一歩を進め、二歩を行き、椽側に出で、庭に下り、開け忘れたりし裏の非常口よりふらふらと立出でて....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
いばかり、光った靴の爪尖と、杖の端の輝く銀とを心すともなく直視めながら、一歩進み二歩|行く内、にわかに颯と暗くなって、風が身に染むので心着けば、樹蔭なる崖の腹か....
橋の上」より 著者:犬田卯
した。 ――みんなが渡るんだ。俺にだけ渡れないということはあるまい! だが、二歩、三歩――もう駄目だった。眼の前には、長い長い糸のような欄干が、思いなしか蛇....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
を思い出して、どこで覚えたか、魔除けの呪のように、わざと素よみの口の裡で、一歩、二歩、擬宝珠へ寄った処は、あいてはどうやら鞍馬の山の御曹子。……それよりも楠氏の....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
人の交えた会話はこれだけであった。 女学生ははっきりした声で数を読みながら、十二歩歩いた。そして女房のするように、一番はずれの白樺の幹に並んで、相手と向き合っ....