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「二流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
彼の作品の何行かを充《みた》すだけの資格しかない。そういう芸術は、彼にとって、第二流の芸術である。 三 彼が「性に合わない」という語《ことば》に....
或る女」より 著者:有島武郎
手な陰謀を企てるがいい。どうせ看視のきかないものなら、自分は貞世のためにどこか第二流か第三流の病院に移ろう。そしていくらでも貞世のほうを安楽にしてやろう。葉子は....
富士」より 著者:岡本かの子
め》の見える大空から雲は剥《はが》れてまくれ立った。灰いろと葡萄《ぶどう》いろの二流れの雲は峯々を絡み、うずめ、解けて棚引く。峯々の雲は日のある空へ棚引いては消....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
の地声のように一定の調子を保って、もう高くも低くもならなくなった。天井に近く長い二流三流の煙の横雲が、草臥れた乳色になって、動く力を失っている。 靠れ框の角の....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
月の下席は大抵休業で、上十五日もあまりよい芸人は出席しなかったらしい。そこで、第二流どころの芸人の出席する寄席では、客を寄せる手段として景物を出すのである。 ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
づいているのだ。「人間は万物の霊長である」といばっていた人間も、ここではあわれな二流三流の生物でしかない。 三根夫の帰着 三根夫が無事にもどってきた。艇....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
いう顔ぞろいで、いずれも好評を博したと云うことも確かに一つの原因であって、もし第二流の俳優によって上演せられ、その当時さしたる評判もなくて終わったらば、おそらく....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
四つのうち二つは目抜きの場所にあり、そのうち新栄座というのが一流で寿座というのが二流どころであつた。 あとの二つは場末にあつてともに三流であるが、この三流のう....
良夜」より 著者:饗庭篁村
潟県下第一の俊傑なりしか、この県下に第一ならば全国の英雄が集まる東京に出るとも第二流には落つまじと俄かに気強くなりて、密かに我腕を我と握りて打笑みたり。この頃の....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
さやかな靴磨きの店を張っていた。 大阪中の寄席は殆んど焼けてしまっていたので、二流の落語家の赤井にはもう稼げる寄席はなかったし、よしんば寄席があっても、もう落....
五色蟹」より 著者:岡本綺堂
でも第一流の旅館でない。どこもことごとく満員であるというので、よんどころなしに第二流の宿にはいって、しかも薄暗い下座敷へ押し込まれたのであるが、その代りに隣り座....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
座も好成績のうちに閉場した。この当時、千歳座は訥子、鬼丸、猿十郎、源平の一座で第二流の芝居を興行し、中村座は荒太郎、仙昇、多見丸などの上方俳優で興行していたので....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
ままを有体にいうと、純文芸は鴎外の本領ではない。劇作家または小説家としては縦令第二流を下らないでも第一流の巨匠でなかった事を肯て直言する。何事にも率先して立派な....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
代表して東道の主人となって処々方々を案内して見せた。ダンチェンコは文人としては第二流であるが、新聞記者としては有繋に露西亜有数の人物だけに興味も識見も頗る広く、....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
箱の尽くる処、一大淵を成す。左岸はつたうべからず。徒渉して右峰に移る。淵の上は、二流となる。右はやや大にして本流也。左はやや小にして支流也。海よりここに到るまで....