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二進も三進も
「二進も三進も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二進も三進もの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
の町の、その町じゅうで一番の海産物問屋大山のことであった。ぎりぎりといつのまにか
二進も三進もいかぬまでに自分を締めつけてしまった、逢えば愛想のいい、金にかけては....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
、岳南鉄道以外にも幾つかの会社に関係していた錚々たる手腕家なのだが、この数年来|
二進も三進も行かない打撃を受けて、押山の父から莫大な負債を背負わされていた。そう....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は外国商人も承知していて、気に入らないものでも買って見せる。江戸の食い詰め者で、
二進も三進も首の回らぬ連中なぞは、一つ新開地の横浜へでも行って見ようという気分で....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
結局どうにもぬけでれないということが分っているだけ、たまらなかった。まるで彼には
二進も三進もゆかない地獄だった。そしてこういうことにさんざん苦しくなるといつでも....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
続けた。けれどもいくら考えて見ても、問題の解決はつかない。そして結局自分の力では
二進も三進も勘考がつかないと悟った雄太郎君は、誰か力になって貰える、信頼の置ける....
「マレー俳優の死」より 著者:岡本綺堂
ません。一座の者にはもちろん、世間にもだんだんに不義理の借金もかさんで来て、もう
二進も三進も行かなくなったんです。」 言いかけて、早瀬君は突然に僕に訊いた。 ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
……。犬にあうと訳もなく見やぶられてすぐ尻尾を出してしまいます。化の皮がはげて、
二進も三進も行かなくなってしまうのでございます」 「いかにも、よくわかった。では....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
「とど助さん、あなたまで冷やかしちゃいけません。正直なところ、その件であっしは
二進も三進も行かなくなっているンです。念入りにひとりずつ叩いて見ましたが、いっこ....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
よることで、それについては、みずから少々慰める点もありますが、実際問題のほうは、
二進も三進もゆかないところへきているんです」 「石亭先生、あなた、まさか、承諾し....
「国境」より 著者:黒島伝治
の下駄のように、氷に張り閉されてしまった。 舷側の水かきは、泥濘に踏みこんで、
二進も三進も行かなくなった五光のようだった。つい、四五日前まで船に乗って渡ってい....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
ドクトルの生活ときたら、はたから見てもぞっとするほどじゃなくて? 道路といえば、
二進も三進も行かないぬかるみだし、身を切るような風、ふぶき、行けども行けども涯し....