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「互角〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

互角の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女の決闘」より 著者:太宰治
え、体重も以前の倍ちかくなって、町内の人たちの尊敬も集り、知事、政治家、将軍とも互角の交際をして、六十八歳で大往生いたしました。その葬儀の華やかさは、五年のちま....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
ば、無論しくじりの起るはずはない。するとこの場合の勝負は(両方の競技者がまったく互角として)、知力を強く働かせた結果としての、|念入り《ルシェルシェ》な駒の動か....
党生活者」より 著者:小林多喜二
だ!」 三人が声を出して笑った。――私は自分たちの周囲を見渡してみても、伊藤と互角で一緒になれるような同志はそんなにいまいと思っている。彼女が若し本当に自分の....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
極めて優秀でありましたが、兵力は遥かに劣勢であり、戦意は双方相譲らない有様で大体互角の勝負でありました。ところがヒットラーがドイツを支配して以来、ドイツは真に挙....
」より 著者:島崎藤村
るのを聞くと、私も自分の部屋にじっとしていられなかった。 「次郎ちゃんと姉やとは互角だ。」 そんなことを言って見ている三郎たちのそばで、また二人は勝負を争った....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
左衛門といえば当時日本でも一流の剣客、彼の将軍家お手直し役浅利又七郎と立ち合って互角無勝負の成績を上げ、男谷下総守と戦っては三本のうち二本取り、さらに老後に至っ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
んのそれらにムザムザと、捕えられるようなヤクザではない。ともすると一式小一郎と、互角に勝負をするほどの、腕に覚えのある人物であった。 垢離部屋に滝の水が一杯に....
碁の手直り表」より 著者:菊池寛
、何か云っていたが、あれは両方で強がっているので、第三者たる川端君の説によれば、互角らしいとの事である。直木は、正気のある間は、生きるつもりでいた。死前四日に、....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
が自慢だ、負かすのは失礼だと思ったが、さりとて故意に負けるとへつらうことになる、互角ぐらいにしておこうと思った。 「やりましょう」 先生は長いひざを開いて畳に....
次郎物語」より 著者:下村湖人
なかった。やや間をおいて、白と黄の羽根が、三たび地上尺余の空に相|搏った。今度は互角である。 つづいて、四回、五回、六回と、蹴合いは相変らず互角に進んだ。 ....
織田信長」より 著者:坂口安吾
た。斎藤と織田は美濃と尾張に隣り合せて、年来の仇敵であり、攻めたり攻められたり、互角に戦って持ちこたえたが、バカ若殿の代になると、たちまちやられる憂いがある。ジ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
ち合っても、三本のうち一本は取った。次男栄次郎も名人であったが、造酒と立ち合うと互角であった。しかしこれは造酒の方で、多少手加減をするからで、造酒の方が技倆は上....
竈の中の顔」より 著者:田中貢太郎
盤を前へ出して、一方の脚を敷居の上に載せるようにした。 「私とあなたとは、どうも互角のようだ、私が先で往こう」 僧は主翁の出した碁笥に手をやった。 「私が先で....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
る京山が、これもまた案外公平な説を立ててるのは、京伝・馬琴が両々相対して下らざる互角の雄と見做したのが当時の公論であったのだろう。二人は遠く離れて睨み合っていて....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
子左の家柄としては極位極官である。それにこの昇進の早さは、たしかに大臣家の公達に互角であった。父定家はそれを見て世を去ったのである。この昇進の早さには定家自身|....