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「五位〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

五位の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ばたけ》の秋の風」を、「沖の時雨《しぐれ》の真帆片帆」を、「闇《やみ》のかた行く五位の声」を、――本所の町々の教えなかった自然の美しさをも発見した。この「本から....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
事も度々あった。 「婆や、あれは何の声だろう?」 「あれでございますか? あれは五位鷺《ごいさぎ》でございますよ。」 お蓮は眼の悪い傭《やと》い婆さんとランプ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
い杉の森の近所へ忍んで行った。雨気を含んだ暗い夜で、低い空の闇を破って啼いていく五位鷺《ごいさぎ》の声がどこやらで聞こえた。彼はふた※《とき》ほどもそこに立ち迷....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ちます。 鉄砲疵《てっぽうきず》のございます猿だの、貴僧《あなた》、足を折った五位鷺《ごいさぎ》、種々《いろいろ》なものが浴《ゆあ》みに参りますからその足跡《....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に化け物が出るだろう」 蚊の声、虫の声、古寺の闇はいよいよ深くなって屋根の上を五位鷺《ごいさぎ》が鳴いて通った。二人は根気よく坐り込んで、夜のふけるのを待って....
婦系図」より 著者:泉鏡花
のでも大略解る。酒に酔わずにアルコオルに中毒るような人物で。 年紀は二十七。従五位|勲三等、前の軍医監、同姓|英臣の長男、七人の同胞の中に英吉ばかりが男子で、....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
その池も白いまで水は少ないのであった。 三 「どっちです、白鷺かね、五位鷺かね。」 「ええ――どっちもでございますな。両方だろうと思うんでございます....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
\と鳴る音が寒そうにきこえます。お屋敷の屋根の上まで低く掩いかゝった暗い大空に、五位鷺の鳴いて通るのが物すごく聞えます。これがふだんならば、臆病なわたくしには迚....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
に分れて、おいおいに一同入る。陰火全く消ゆ。 月あかりのみ。遠くに犬|吠え、近く五位鷺啼く。 お百合、いきを切って、褄もはらはらと遁げ帰り、小家の内に駈入り、隠....
星女郎」より 著者:泉鏡花
、踏伸ばした脚を、直ぐに意気地なく、徐々縮め掛けたのは…… ぎゃっ! あれは五位鷺でしょうな。」 「ええ。」 「それとも時鳥かも知れませんが、ぎゃっ! と啼....
真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
たあとで、秋山は又もや机にむかって、あしたの吟味の調べ物をしていると、屋根の上を五位鷺が鳴いて通った。 かれは自分がいま調べている仕事よりも、伊兵衛殺しの一件....
雪柳」より 著者:泉鏡花
えと平にいう。いや夜あるきには馴れている、雨も小留みに、月も少し明ければ途すがら五位鷺の声も一興、と孔雀の尾の机にありなしは知らぬ事、時鳥といわぬが見つけものの....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
たはけだし類を絶しているだろう。 高橋健三は官報局の局長室に坐している時でも従五位勲何等の局長閣下でなくて一個の処士|自恃庵主人であった。浜田は簡樸質素の学究....
古事記」より 著者:太安万侶
します。わたくし安萬侶、謹みかしこまつて申しあげます。 和銅五年正月二十八日 正五位の上勳五等 太の朝臣安萬侶 一、イザナギの命とイザナミの命 天地のはじめ ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
って、息さえ詰まるようでありました。東の空から明け初めて、寝呆けたような鴉の声と五位鷺の声とが宮の森のあたりからかすかに聞えて来ましたが、静寂な天地はたちまちそ....