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「五官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

五官の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
やりと目を開いたりするその顔が浮き出して見えたりした。そればかりではない、葉子の五官は非常に敏捷《びんしょう》になって、おまけにイリュウジョンやハルシネーション....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ばかり烱々《けいけい》として底光りがありすぎるのです。この目というやつは、人間の五官のうちでおよそいちばん的確にその人の職業を物語るものですが、たとえばすりの目....
光の中に」より 著者:金史良
る。だが私はその次の瞬間、自分が現在は南と呼ばれていることがじーんと電鈴のように五官の中へ鳴り響いて来るのを感じた。それで私は驚いたようにいつもの様々な云いわけ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た。 錦の帳を一枚隔て、行われている造顔術! とまた月子の声がした。 「次は五官でございます。……眉が保寿官、眼が監察官、鼻梁が審弁官、口が出納官、そうして....
観画談」より 著者:幸田露伴
ろうと思うほど、他には何の音もない。住持も若僧もいないように静かだ。イヤ全くわが五官の領する世界にはいないのだ。世界という者は広大なものだと日頃は思っていたが、....
惨事のあと」より 著者:素木しづ
て迫まった。万吉の眼は血走って、すべての血液が両手と頭にだけ溢れてしまって、他の五官は働きを失ってしまったかのようであった。それでいて、青い顔がより以上青ざめて....
村芝居」より 著者:井上紅梅
も何を見たとハッキリ言うことが出来ないが、役者の顔がだんだん変槓のものになって、五官の働きがあるのだか、ないのだか、何もかも一緒くたになって区別がつかなかった。....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
」 上上の機嫌で囁き、歌い、 生きている身を楽しまん。 造化の神よ、現世の神よ、五官を統る神様よ。 まだ私の歌い終わらないうちに、私たちは尼寺の上の角をまわっ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
、立ちのぼる湯気の感触とその匂い、――彼は、彼の味覚を満足させる前に、すでに彼の五官のすべてを鋤焼というものに集中さして、恍惚となっていた。 彼にとっては、こ....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
めくって、最後に指で押えた頁を検事に突き付けた。 「支倉君、君はヒステリー患者の五官のうちで、何が一番最後に残るか――、それが視覚だと云う事を知っているかね。ま....
白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
劣っております。しかし神様は、彼に知恵を与えることを惜しみたもうた代わりに、彼の五官器のうちのあるものを、普通の人間よりも遥かに鋭敏ならしめたもうたのであります....
妖怪学」より 著者:井上円了
というに、夢も睡眠も死も、みなこれを心理学上よりみれば同一の現象のみ。脳髄および五官の神経等、有機組織の作用する間は醒覚のありさまなれども、睡眠中には脳髄および....
妖怪報告」より 著者:井上円了
予が疑団いよいよ凝結して、氷釈するあたわざるゆえんなり。それ、およそ夢は、つねに五官の交感、あるいは往事追懐の起念等、種々の原因より結合して成るものなりといえど....
迷信解」より 著者:井上円了
せる種々の想像が呼び起こされ、その一点に心の全力が集中するようになり、その影響が五官および手足の上に現れ、いわゆる狐惑または狐憑きの実況を示すに至るのじゃ。つま....
家庭料理の話」より 著者:北大路魯山人
べて出鱈目だ。思いつきがあっても、低調で話にならない。正しい責任を持たない。鋭い五官などは働いていない。 第一、料理道楽、食道楽に金を使って知ったという経験を....