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五色の糸
「五色の糸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
五色の糸の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
りも、一事一書に志を集めて一代に成就することを期するに如《し》かじと思っていた。
五色の糸の乱れしは美しけれども、実用に供することは赤とか黄とかの一色に決し、ほか....
「薤露行」より 著者:夏目漱石
》へ走れ」と女は両手を高く天に挙げて、朽ちたる木の野分《のわき》を受けたる如く、
五色の糸と氷を欺《あざむ》く砕片の乱るる中に※《どう》と仆《たお》れる。 ....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
《はげ》しくなる。――こんな具合で三方四方から、両立しない感情が攻め寄せて来て、
五色の糸のこんがらかったように、こっちを引くと、あっちの筋が詰る、あっちをゆるめ....
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
しいのが見ているうちに出来てくるその面白さ……。又は大きな大きな袱紗に、金や銀や
五色の糸で縫い込まれた奇妙な形の花や蝶々が、だんだんと一つにつながり合った模様に....
「作家の手帖」より 著者:太宰治
すべて手芸に巧みになるように織女星にお祈りをする宵である。支那に於いては棹の端に
五色の糸をかけてお祭りをするのだそうであるが、日本では、藪から切って来たばかりの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
拳大《こぶしだい》の石。 「何をしやがる」 竿の網を袋にならぬように強く張った
五色の糸。それでムクの鼻面《はなづら》に飛んで来た石をパッと受け返す途端にまた一....
「錦木」より 著者:宮本百合子
のを忘れてこまかい雨の中を散った花びらをひろっては並べならべてはひろって細い絹の
五色の糸でこれをつないで環をつくって首にかけたり、かざして見たりして居るのを何も....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
自由らしさがあって、彫刻に見るような堅い線が出て来ている。両手の親指・人さし指に
五色の糸らしいものが纏われている。此は所謂「善の綱」に当るもので、此図の極めて実....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
る、命の預言! この世の運命……そんなことがあるものか、私は長く長く此処に居て、
五色の糸を織る身じゃもの。今の音は、雲の間で空しく鳴る、意味のない雷の音よ! (....
「法然行伝」より 著者:中里介山
|最期《さいご》に臨んでそれを示すといったそうである。 また弟子達が仏像の手に
五色の糸をつけて、 「これをお取りなさいませ」 といった処が、法然は、 「斯様....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
に考えてもらうと、水神のたたりだという場合が多いそうであります、水神様が水の上に
五色の糸を綜て、機を織って遊んでいられるのを、知らずに飛び込んでその糸を切ったり....