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亘る
「亘る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亘るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鮨」より 著者:岡本かの子
かなくっても、どこかその辺の空地で休んで行きましょうよ」 湊は今更のように漲り
亘る新樹の季節を見廻し、ふうっと息を空に吹いて 「それも、いいな」 表通りを曲....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
テネス(Kallistheness)はアリストテレスのために、紀元前二三〇〇年に
亘るこの種の観測資料を収集した。カルデアの僧侶たちは毎夜の星辰の位置とその光輝の....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
直々言葉を懸けられ、「直ぐ駈けつけろ」というのである。僕は全身が俄かに緊張に鳴り
亘るように感じながら、電話函を出ると、通りがかりの円タクを大声で呼びとめた。 ....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
命を伝達すべき二人の人間と、この三人しか知らないというのです。兎に角、最近四回に
亘る科学者虐殺事件は、あきらかに、この国際殺人団が活躍をはじめたものと考えてすこ....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
「医師である僕に、どんな願いがあるというのかネ」 妾はそこで思いきって全身に
亘る診断のことを頼んでみた。一つには異状又は異状の痕跡の有る無しのこと、もう一つ....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
、炎天下に色あげをされつつ、粛々として陣を張っているのであった。 これは余談に
亘るが、彼れ醤は、日本軍のため、重慶を追われ、成都にいられなくなり、昆明ではクー....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
で遁した。あたかもその影を追うごとく、障子を開けて硝子戸越に湖を覗いた。 連り
亘る山々の薄墨の影の消えそうなのが、霧の中に縁を繞らす、湖は、一面の大なる銀盤で....
「関東防空大演習を嗤う」より 著者:桐生悠々
れども、一昨九日から行われつつある関東防空大演習は、その名の如く、東京付近一帯に
亘る関東の空に於て行われ、これに参加した航空機の数も、非常に多く、実に大規模のも....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
見から心霊現象を或は無視し或は冷笑するのは気の毒千万である。淺野先生が二十余年に
亘る研究の結果の数種の著述心霊講座、神霊主義と共に本書は日本に於ける斯学にとりて....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
儼守するのみである。幸福は合理的生活の所産であり、これと同様に、不幸は有形無形に
亘る一切の法則の意識的違反から発生する。 われ等の遠き前途に就きては、われ等は....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
た菊池、――それは会っても会わないでも好い。わたしの一番会いたい彼は、その峰々に
亘るべき、不思議の虹を仰ぎ見た菊池、――我々の知らない智慧の光に、遍照された菊池ばかりである。....
「俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)」より 著者:岸田国士
が大きな力になると思う。そういう力を身につけて来ている。それには田村君の十年間に
亘る人生修業というものもあつたんでしようが、それと同時に、脚本を自分で書いた。と....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
身決して不自然な感情でもないし、浅薄なものでもない。それは、「幾世紀も幾千年にも
亘る祖国の存在によって固められた最も深い感情の一つである。」だが、それだけに階級....
「島原の夢」より 著者:岡本綺堂
歌舞伎に縁の離れないものであるかも知れない。 こうして、築地橋から北の大通りに
亘るこの一町内はすべて歌舞伎の夢の世界で、いわゆる芝居町の空気につつまれている。....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
になり了せた。 ツンドラ地帯とは蘚苔類の層積から成る幌内川の沿岸は広袤数十里に
亘る地帯の謂である。その地帯には俗に樺太葡萄と称する紅い果のフレップと紫の果のト....