亜麻[語句情報] » 亜麻

「亜麻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

亜麻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カルメン」より 著者:芥川竜之介
がら、炭酸水《たんさんすい》のコップを片手に詩人のダンチェンコと話していた。あの亜麻色《あまいろ》の髪の毛をした盲目《もうもく》詩人のダンチェンコとである。 「....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
の立樹《たちき》の幹に馬を繋《つな》いで、燕麦《からすむぎ》と雑草とを切りこんだ亜麻袋を鞍輪《くらわ》からほどいて馬の口にあてがった。ぼりりぼりりという歯ぎれの....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
生の制帽はどれもこれも、一つとして昔のような頑固な枠を入れたのはない。馬の尻毛や亜麻の極《ごく》柔かい弾力の強いもので、目庇《まびさし》までも薄い上等のエナメル....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
い花だ。本草学にだって有りゃあしない。ところで此奴から薬が採れる。名付けて亜剌比亜麻尼と云う。一滴で人間の生命が取れる。殺人をすることが出来るのさ。……此奴は何....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
来上がったから、友達の批評家らを呼び集めるようにと家人に言い付けた。彼は真っ紅な亜麻織りに黄金を輝かせた荘厳な衣服にあらためて、かれらを迎えた。 「これがわたし....
小公女」より 著者:菊池寛
その子は、あまり怜悧そうではありませんでしたが、気質は大変よさそうに見えました。亜麻色の髪をかたく結び、リボンをつけていました。ジュフラアジ氏がセエラに話しかけ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ころの彼はむしろ非常な美貌の持ち主であった。すらりとした中肉中背で、黒みがかった亜麻色の髪に、輪郭の正しい、しかもこころもち長めの卵なりの顔、大きく見はった濃い....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
藩から、上陸を拒まれたを機に、この島に根城を求めたが、今までは一とおり、金髪にも亜麻色にも……。ええしたが、五大州六百八十二島の中で、ものもあろうに緑の髪の毛と....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、丈は六尺余りもあって、がっしりとした骨格を張り、顔も秀でた眼鼻立ちをしていた。亜麻色の髪は柔らかに渦巻いて、鼻は鷹の嘴のように美しいが、絶えず顔を伏目に横へ捻....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ったから。彼は、頭にごくぴったりくっついている、風変りな小さいつやつやした縮れた亜麻色の仮髪をかぶっていた。この仮髪は髪の毛で作られたものであろうが、しかしそれ....
かもじの美術家」より 著者:神西清
とても好きでしたから。しかもそのわたしの髪の毛というのが、ふしぎなくらい房々した亜麻色のでしてね、それをアルカージイは惚れ惚れするように見事に結いあげてくれたも....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
バラ色が射し、口もとは小さく締まり、若々しい両の頬にはエクボがあって、金色に光る亜麻色の捲毛が、囚人用の縞入り頭巾のすきから額へちらちらこぼれかかる、といった風....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
しょう。年頃はまだ十七、八、あるいは十八、九くらいかも知れません。ふさふさとした亜麻色の髪が、キラキラと陽に輝いて、紛う方ない混血児です。その髪を両耳|掻き上げ....
」より 著者:神西清
がはいって来た。私の知らない四十恰好の紳士で、背は高く、がっしりして、頭は禿げ、亜麻色の大きな髯と小さな眼をしている。よれよれの袋みたいな服とその物腰とから、私....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
たらしい気であった。 菜の花の鮮黄の群れも目についた。 もち稗も熟れていた。亜麻畠のややほの青みを保った熟いろの柔かさ匂やかさは何ともいえなかった。まだ紫の....