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亡夫
「亡夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亡夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
、一カ月で未亡人になったみどりは××生命から現金で金一万円也を受け取った。それが
亡夫の掛けていた生命保険だったことは、読者諸君のよく承知のところである。 幸運....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
口より立出たり、先ほどの黒き衣服に猶お黒き覆面を施せしは死せし所天の喪に服せる未
亡夫人かと疑わる、目科は口の中にて「仲々食えぬ女だわえ、悲げな風をして判事に憫み....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
りでいた。 哲也は師匠歌寿が秘蔵の名器「玉山」を是非譲ってくれと頼んだが歌寿は
亡夫の形見だからと断った。 無理に譲り受けると、大自慢で他人に見せびらかした。....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
家から縁をたたれ、たった一人の夫のみで生きて来たのだったと云った。私にとっては、
亡夫にあやつられている魂のない人形のように思えるのだった。そして、ちっともそう云....
「海水浴」より 著者:寺田寅彦
同じ種崎のTという未亡人の家の離れの二階を借りて一と夏を過ごした。 この主婦の
亡夫は南洋通いの帆船の船員であったそうで、アイボリー・ナッツと称する珍しい南洋産....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
の女を追いまわしていた。いずれもジロリの女であった。 一人は四十一の未亡人で、
亡夫の院長にひきつゞいて病院を経営していた。
亡夫が私の従兄で、その関係で、病気の....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の財産を一年足らずで、そっくり潰して、教会の教師の末席につらなり、佐分利も同じく
亡夫の財産をつぶして母は教師の末席に、娘はミコになって奉仕していたのである。 ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の家の呪われた血をバクロしたものだ。まるで自分には関係がないように。 未亡人の
亡夫浅虫権六は病死となっているけれども、実は自殺したのであった。その自殺もタダの....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は昨日まで考えたあげく、度々の家探しをされて痛くもない腹を探られるのも癪ですし、
亡夫が他殺でありますなら、この際ハッキリ犯人をあげていただきたく、思いきってお願....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
甚八の前へ押しやったのを見ると、アッと顔の色を変えたのは千代であった。 これぞ
亡夫の先々代が系図に書き加えた謎の文字ではないか。仏像の秘密の胎内に隠された系図....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
人については、その後負傷はすっかり癒り、寡婦として一貫し、その生涯を救貧事業と、
亡夫の遺産管理に専念していると云うことをきいただけである。....
「地上」より 著者:島田清次郎
控えている「教育費」の心配も予めして置かねばならなかった。お光は十幾年住みなれた
亡夫の唯一の遺産である「家」を売ったのである。そして平一郎は「父のない、そうして....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
父もその応対に困り果てましたが、その時祖母が、「先様には何の申分もありませんが、
亡夫より男ぶりが悪いから御免を蒙りましょう」といわれたので、仲介者も口をつぐんだ....
「薬局」より 著者:織田作之助
わずつんとして、ヒロポン品切れです! しかし声はふるえ、それがせめてもの女心だと
亡夫を想った。....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
福知山から三田行に乗り換えた時には、もう汽車の中にまで夕闇が迫っていた。 園部の新生寺の住職――それは
亡夫の伯父なのだ――が急死したという電報を受取ると直ぐ東京から馳けつけて来て、こ....