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「亢進〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

亢進の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
を見ると、あまりの事に悶絶《もんぜつ》するかも知れない。悶絶しないまでも、病勢が亢進《こうしん》するのは、わかり切った事だ。できれば私は、マスクでも掛けて逢いた....
」より 著者:島木健作
美くしい夜であった。 ――強度の神経衰弱の一つの徴候ともおもわれるこうした心悸亢進《しんきこうしん》に、太田はその年の夏から悩まされはじめたのである。それは一....
雛妓」より 著者:岡本かの子
は零さなかった。 わたくしは心配性の逸作に向って、わたくしが父の死を見て心悸を亢進させ、実家の跡取りの弟の医学士から瀉血されたことも、それから通夜の三日間|静....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
がある。それから、抱水クロラールになると、他の薬物ではとうてい睡れないような異常亢進の場合でも、またたく間に昏睡させることが出来るのだよ。だから、新しい犠牲者に....
痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
眼と区別することが出来ません。この病は俗に「石そこひ」と申しまして、眼球の内圧の亢進によるのですから、眼球は硬くなりますが、眼底の検査をして、視神経が眼球を貫い....
うつり香」より 著者:近松秋江
別にあなたの蚊帳を吊ってあげますから……ここは私の寝るところです」 と、神経の亢進ったようにはねつけた。 「いんにゃ、ここでいい、もう怠儀だ」 「怠儀だって、....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
う。所謂スポーツマン・シップというような学生用センティメンタリズムや応援団的心気亢進は、どこかへ消し飛んで了うだろう。関西の阪神電鉄ではいよいよ職業野球団を組織....
藤の実」より 著者:寺田寅彦
的の言葉で置き換えられるのである。 人間がけがをしたり、遺失物をしたり、病気が亢進したり、あるいは飛行機がおちたり汽車が衝突したりする「悪日」や「さんりんぼう....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
る潔癖はあるから、そういう不正確な記事はたまたまその潔癖を刺激してかえってそれを亢進させるような効果がある場合があるかもそれはわからない。また大多数の人は始めか....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
いうことで、泥酔しつつ詩作したということではないだろう。酒に酔ってる時は、感情が亢進《こうしん》して世界が意味深く見えるけれども、実際には決してどんな表現もない....
変った話」より 著者:寺田寅彦
をする、すれば大抵の病気は悪くなる。そうしていよいよ寝込む頃にはもうだいぶ病気は亢進して危険に接近しているであろう。実際平生丈夫な人の中には、無理をして病気をこ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
うすると、あらゆる意味での装身を景品の一つにして、こんなにまで個人間の自由競争を亢進させてその利をはんでいる狡猾な資本主義もお洒落な都会人に関する限り、その魅力....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
心臓のお苦しくならない限り、おとなしくて居られます。心臓の苦しいというのは、心悸亢進するらしいのです。脈が非常に速くなり、百以上。そして結滞もするらしい。そうい....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。私はゆうべ徹夜で、自分の失策について考えていたので、消化不良から来た急性の心悸亢進のためにとんだ失礼をしましたと、まことしやかに弁解したので、キッティのご機嫌....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
だ。よく、青葉病といって、急に憂鬱になるか、それとも、見境いなく齧りつくような、亢進症になるか――。とにかくあれは、殻を割りたくても、割り得ない悩みなんだ。あの....