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交じる
「交じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
交じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
つつ泣き崩れる。藤十郎やや狼狽しながら、獣のごとく早足に逃げ去る。お梶の泣く声に
交じるように千鳥の声が聞える) 第三場 第二場より七日ば....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
果としていろいろなモチーフが繰り返される。たとえば刑務所と工場の仕事場では音楽に
交じる金鎚の音が繰り返され、両方の食堂では食器の触れ合うような音の簡単な旋律が繰....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
いばかりと事がらがきまればかえって楽であるが、困ったことには時にほんとうなことが
交じるので全部捨てるわけにゆかないから始末が悪いのである。 われわれの目も時々....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
ある。一犬は虚をほえなくても残る万犬の中にはうそ八百をほえるようなのもたくさんに
交じるのであるが、それがみんな実として伝えられるのである。ジャーナリズムの指はミ....
「曠野」より 著者:堀辰雄
の音がゆうべよりかずっとはっきりと聞えてきた。おりおり遠くで千鳥らしい声がそれに
交じることもある。守はいたわるように女をかきよせながら、そんなさびしい風の音など....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。自然もちょうど彼と同じく、眼覚《めざ》めの懶《ものう》さに快い眩暈《めまい》が
交じる初春であった。自然と彼とは、眠りながらもたがいに抱きしめる恋人同士のように....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
彼よりも十四、五歳若かった。その後、愁《うる》わしげにほつれさした髪にも白いのが
交じるようになり、令嬢パミーラから憎悪の神メゲラが解放される頃の年になると、彼女....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
者は十八世紀フランスの戦術家)
多少の暴風雨的|擾乱《じょうらん》は常に戦いに
交じるものである、ある暗澹たるもの、ある天意的なるものが。各歴史家はそれらの混戦....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
れに服した。彼にとってそれは正規な変装をすることであって、孤独のままで世人に立ち
交じることができるのだった。ジャン・ヴァルジャンは法律上免役の年齢たる六十歳に達....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の中に窒息が爪《つめ》を開いて人の喉《のど》をつかむ石の箱、瀕死《ひんし》の息に
交じる悪臭のみであって、砂浜ではなく泥土であり、台風ではなくて硫化水素であり、大....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
発達を刺戟される。屑のような論文が百も出るうちには一つくらいは少しはろくなものも
交じる確率があり、万人の研究者の中には半人くらいは世界的の学者を出すプロバビリテ....
「短歌の詩形」より 著者:寺田寅彦
見ても、一つの長詩の中に七言が続く中に五言が交じり、どうかすると、六言八言九言の
交じることもある。四言詩の中に五言六言の句の混入することもあるのである。 中央....
「法然行伝」より 著者:中里介山
りなかったが二十五日の午《うま》の刻から念仏の声が漸くかすかになって、高声が時々
交じる。まさしく臨終であると見えたとき、慈覚大師の九条の袈裟を架け、頭北面西にし....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
るものが多い。この鯛汁なんぞは鯛のスープに鯛の実に滋養分の多いお味噌に薬味も色々
交じるからなかなか滋養分があるお料理で病人の恢復期《かいふくき》や産婦なんぞにち....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
代り何もかもありのままを云って下さい。少しでもかくしたりしてはいけませんよ。嘘が
交じると困ることになりますからね」 「決して、誓って嘘は申しません、かくしだても....