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交番
「交番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
交番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
いた、石船の船頭が見つけてね。さあ、御客様だ、土左衛門だと云う騒ぎで、早速橋詰の
交番へ届けたんだろう。僕が通りかかった時にゃ、もう巡査が来ていたが、人ごみの後か....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ました。あいつらが? ふうむ。ずいぶん遣《や》りかねますまいよ」 「その晩橋場の
交番の前を怪しい風体のやつが通ったので、巡査が咎《とが》めるとこそこそ遁《に》げ....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
なり。渠《かれ》は明治二十七年十二月十日の午後零時をもって某町《なにがしまち》の
交番を発し、一時間交替の巡回の途に就《つ》けるなりき。 その歩行《あゆむ》や、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
包みにでもして、その筋へ出さなくっちゃ不可んぞ、と念を入れて渡してくれた。一所に
交番へ来い! とも云わずに、すっきりしたその人へ義理が有るから、手も附けないで突....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
は、訴訟狂とか申すんだそうで、葱が枯れたと言っては村役場だ、小児が睨んだと言えば
交番だ。……派出所だ裁判だと、何でも上沙汰にさえ持ち出せば、我に理があると、それ....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
に間違いない。――その真中へ顔を入れたのは、考えると無作法千万で、都会だと、これ
交番で叱られる。 「霜こしやがね。」と買手の古女房が言った。 「綺麗だね。」 ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、こはだの鮨は、もう居ない。捻った処で、かりん糖売か、皆違う。こちの人は、京町の
交番に新任のお巡査さん――もっとも、角海老とかのお職が命まで打込んで、上り藤の金....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
巻ですって、蹴込へ踞んで、頭までかくした赤毛布を段々に、仁木弾正で糶上った処を、
交番の巡査さんに怒鳴られたって人なんでございますもの。 芝居のちっと先方へいら....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
のの口不調法、随分御退屈をなすったでございましょう。他に相談相手といってはなし、
交番へ届けまして助けて頂きますわけのものではなし、また親類のものでも知己でも、私....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
警察へ呼出しかね。」 「ははあ、幾ら俺が手下を廻すとって、まさかそれほどの事では
交番へも引張り出せないで、一名制服を着けて、洋刀を佩びた奴を従えて店前へ喚き込ん....
「墓」より 著者:秋田滋
の浅ましい男に躍りかかると、たちまち組み伏せてしまい、両手を縛りあげて、その男を
交番へ引ッ立てて行った。 その男は町の弁護士で、まだ年も若く、名をクールバタイ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
何にも謂わねえ。 一体|昨夜お前を助けた時、直ぐ騒ぎ立てればよ、汐見橋の際には
交番もあるし、そうすりゃ助けようと思う念は届くしこっちの手は抜けるというもんだし....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
入りゃ、真昼中でもねえ先生、気の弱い田舎なんざ、一人勝手から抜出して総鎮守の角の
交番へ届けに行こうというんでしょう。 この頃は閑だからと、早速がりを食って奴さ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
火事場にゃ見物が多いから気が咎めるかして、誰も更って喧嘩を買って出るものはなし、
交番へ聞えたって、水で消さずに何で消す、おまけに自分の内だといや、それで済むから....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、お辞儀をして、あの板の並んだ道を、船に乗ったように蹌踉した。酔っています。 「
交番がありますから、裏路地を。」 「的実、ごもっともです。」 「ね、暗うございま....