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交誼
「交誼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
交誼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
じょうず》な字で唐紙牋《とうしせん》に書かれた文句には、自分は故早月氏には格別の
交誼《こうぎ》を受けていたが、あなたに対しても同様の交際を続ける必要のないのを遺....
「新生」より 著者:島崎藤村
か》し実を言えば何も書く材料は無いのである。黙していて済むことである。君と僕との
交誼《まじわり》が深ければ深いほど、黙していた方が順当なのであろう。旧《ふる》い....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
しては嫌であったに違いないが、自分の申し出を拒けて僕を不快にさせまいとする最後の
交誼として、承諾してくれたのであっただろうと思う。彼が、自分宛の遺書の日付は、四....
「不審庵」より 著者:太宰治
に御座候。然りと雖も相互に於ける身分の貴賤、貧富の隔壁を超越仕り真に朋友としての
交誼を親密ならしめ、しかも起居の礼を失わず談話の節を紊さず、質素を旨とし驕奢を排....
「叔父」より 著者:豊島与志雄
は富有で羽振のいい方だったし、武井の方は零落した貧しい生活をしていたので、両家の
交誼はごく疎遠なものだった。それでもやはり、中野さんにとっては、喜代子が美しい姪....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
っておって、小勝も抱えのヤッコもカネ万とはジッコンにつきあっておりますよ。両者の
交誼は現在に至るまでジッコンにして変化を認め得ず。これは警察の調べです」 「それ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
すすんで木場の旦那にも交りをもとめて、文事に趣味もある喜兵衛とはかねてなにがしの
交誼をもっている。 そこで彼は山キの内情とか、木場全体における山キの位置や立場....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
此の五十両は戴きません」 角「だが、宜く考えて見ろ、沼田の鹽原角右衞門殿は同姓の
交誼で手前を藁の上から取上げて育てゝ八歳に成って返す時、礼として五十金を贈られ、....
「決闘」より 著者:神西清
とるぞ。」 「さよなら、補祭君」とフォン・コーレンは補祭の手を握りながら、「君の
交誼といろいろ面白い話とを感謝する。探険のことは考えて置き給えよ。」 「いいです....
「地上」より 著者:島田清次郎
に眼鏡をかけた悪ずれのした原田という男がいた。その男が幾度も深井に手紙を送って「
交誼」を結ぼうと努めた。深井は平一郎にも言わず返事も出さなかった。手紙は露骨に脅....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
であるが、それでも此の道灌山の破裂以来も、なお他の多くの人よりも比較的親しく厚い
交誼を受け薫陶を受けた事は事実である。だから一面からこれを見ると、その婆の茶店の....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
りは一層手広く商売した馬喰町の扇面亭というが専ら書画会の世話人をした。同じ町内の
交誼で椿岳は扇面亭の主人とはいたって心易く交際っていて、こういう便宜があったにも....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
二葉亭の歿後、坪内、西本両氏と謀って故人の語学校時代の友人及び故人と多少の
交誼ある文壇諸名家の追憶または感想を乞い、集めて一冊として故人の遺霊に手向けた。....
「水魔」より 著者:田中貢太郎
発覚してはならないと思ったので、極力弁解した。 「ますます弁解が苦しいが、朋友の
交誼に、店がいそがしかったと云うことにしておいてやろう」と、岩本は始終笑っていた....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
十歳をこえていたドイツの老婦人マルヴィーダ・フォン・マイゼンブークと精神的な深い
交誼をむすんだときに、ベートーヴェンの音楽への理解はロランにとっていっそう深まる....