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亦
「亦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
かも知れない。そうなれば、勿論《もちろん》自分は満足である。が、そうならなくとも
亦《また》必ずしも満足でない事はない。敢《あえ》て同人に語を寄せる所以《ゆえん》....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
うことさえ、やはり「奢侈文弱《しゃしぶんじゃく》」だった! のみならず信輔自身も
亦|嘘《うそ》に嘘を重ねることは必しも父母に劣らなかった。それは一月五十銭の小遣....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ずか》しいやね。」
お鈴はやむを得ずお芳の兄にお芳の来ることを承諾した。それも
亦或は世間を知らない彼女の失策だったかも知れなかった。現に重吉は銀行から帰り、お....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
それは長江を遡《さかのぼ》って来た僕には決して珍しい見ものではなかった。けれども
亦格別見慣れたことを長江に感謝したい見ものでもなかった。
僕はだんだん苛立《い....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
か》しさに憤慨を禁じ得ないものはさっさと埒外《らちがい》に歩み去るが好い。自殺も
亦確かに一便法である。しかし人生の競技場に踏み止まりたいと思うものは創痍を恐れず....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
ようになろうとは、夢にも思わずに居りましたが、真《まこと》に人間の命なぞは、如露
亦如電《にょろやくにょでん》に違いございません。やれやれ、何とも申しようのない、....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
をまわしながら、片手に実のなった桜の枝を持ち、二三歳の子供を遊ばせている。子供も
亦彼の子に違いない。が、家の内部は勿論、彼等もやはり霧のように長方形の窓を突きぬ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
で整理したというに過ぎません。 それなら本篇は寧ろT女の創作かというに、これも
亦事実に当てはまっていない。入神中のT女の意識は奥の方に微かに残ってはいるが、そ....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
蛇笏に敬意を表していた。句もいくつか抜いてあった。僕の蛇笏に対する評価はこの時も
亦ネガティイフだった。殊に細君のヒステリイか何かを材にした句などを好まなかった。....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
ざらん乎、――君の一たび抛下すれば、槓でも棒でも動かざるは既に僕の知る所なり。僕
亦何すれぞ首肯を強いんや。僕
亦何すれぞ首肯を強いんや。 因に云う。小説家久保田....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
得るの機会あるべからず。既に満足を得ず、而して後その南瓜ならざるを云々するは愚も
亦甚し。去って天竺の外に南瓜を求むるに若かず。 三、佐藤の作品中、道徳を諷する....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
ではあるまい。成程僕等年少の徒は度たび滝田君に厄介をかけた。けれども滝田君自身も
亦恐らくは徳田秋声氏の如き、或は田山花袋氏の如き、僕等の先輩に負う所の少しもない....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
見たい心地するなり」と歌えるものは当時の菊池寛なり。当時の恒藤に数篇の詩あるも、
亦怪しむを要せざるべし。その一篇に云う。 かみはつねにうゑにみてり いのちのみを....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
述べ、更に多数党―民主党の代表者、少数党―共和党の代表者が起って歓迎の辞を述べ、
亦日本に来た事のある上院議員が起ち我々を排撃したボストンを選挙区にもつ議員も起っ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
に糧秣廠のあったことを思い出し、更にその糧秣廠に火事のあったことを思い出し、如露
亦如電という言葉は必ずしも誇張ではないことを感じた。 僕の通っていた第三中学校....