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京人形
「京人形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
京人形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ばそのようにも思えるひとりの六十あまりなる老人が、髪の毛をそっくりむしりとられた
京人形をひしと抱き占めて、なにかわからぬうわごとをつぶやきながら、しきりにそれな....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
ようになっていましたから、一人でがぶがぶと煽《あお》り、手近に坐《すわ》っていた
京人形みたいな女給をちょっと好きになって、「君の名前は」とか訊いているうち、いき....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、奥さまはそれほどの容貌《きりょう》よしでもなかったが、その腹に生まれたお春は
京人形のように可愛らしい、おとなしやかなお嬢さまであったそうです。 そこで主人....
「蠅男」より 著者:海野十三
て頁をめくっていった。 そのうちに、いつしか糸子は本をパタリと膝の上に落とし、
京人形のように美しい顔をうしろにもたせかけて、うつらうつらと睡りのなかに誘われて....
「黒髪」より 著者:近松秋江
手のいうことがあまり腹の立つようなことを言ったり、くどかったりする時にはさながら
京人形のようにその綺麗な、小さい口を閉じてしまって石のごとく黙ってしまうのである....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
自分の玩具好きから、M氏をもその方の趣味に引込もうとして、二、三度手土産に面白い
京人形を持って来たことがあるので、それを捜すつもりらしかったが、あいにくその人形....
「青草」より 著者:十一谷義三郎
声で軍歌を唄った。歌津子は空を仰いだり彼らの歌に耳をすまして微笑んだり、今買った
京人形を愛しんだりして歩いていた。 しばらくゆくと、彼女がふいと兄のからだに抱....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
塗の広告まで、土佐絵を見るような心持のする国だから、赤い唐縮緬を着た姐さんでも、
京人形ぐらいには美しく見える。こっちへ来るというので道中も余所とは違って、あの、....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
っていた。その代り献上箱の横の方に、そうして小糸新八郎の、端坐している膝の脇に、
京人形のよそいをした、お品が青褪めて坐っていた。 二人の前に貝十郎がいた。 ....
「人造物語」より 著者:海野十三
物としての人形が発達した。 その中でも異色のある人形は、案山子と、左甚五郎作の
京人形とであろう。 案山子は、雀や烏を相手に、「おれはお人間さまだぞ。近寄って....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
の眼前に、彼以外の紙帳の主がいるではないか。そう、紙帳を箱とすれば、箱へ納まった
京人形のように、一人の美しい娘が、謹ましくはあったが、充分|寛いだ姿で、安らかに....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
をかけた。 「ヨイショ」と博労達はそれに応じた。 と、パッと蓋が取られた。 7
京人形が入れてあった。 髪は文庫、衣裳は振袖、等身大の若い女の、生けるような人....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
雛段は、幾段あったでしょうか。幾組かの内裏雛、中には古代の品もありました。種々の
京人形や道具類がぎっしり並んでいて、あまり立派なので、私は物もいわずに、ただ見詰....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、ちょうど舞台になりますから。……縞の羽織、前垂掛だが、折目正しい口上で、土産に
京人形の綺麗な島田と、木菟の茶羽の練もの……大贔屓の鳥で望んだのですが、この時は....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、「千本桜」の鳥居前、「八百屋お七」の人形|振、「太功記」十段目、「左甚五郎」の
京人形などで、ほかに何か浄瑠璃物が付いていたように記憶している。俳優は小伝次、沢....