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亭主
「亭主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亭主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
にいた獺が一匹、ある河童の夫婦を訪問しました。そのまた雌《めす》の河童というのは
亭主を殺すつもりでいたのです。なにしろ
亭主は道楽者でしたからね。おまけに生命保険....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
《みなとちょう》辺にあった話です。何でも事の起りは、あの界隈《かいわい》の米屋の
亭主が、風呂屋で、隣同志の紺屋の職人と喧嘩をしたのですな。どうせ起りは、湯がはね....
「路上」より 著者:芥川竜之介
あの紋服と来た日にゃ、ある弁護士の細君をひっかけて、そのいきさつを書いた小説を御
亭主の弁護士に献じるほど、すばらしい度胸のある人間なんだ。その隣のボヘミアン・ネ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
汝の名は女なり」! 常子も恐らくはこの例に洩《も》れず、馬の脚などになった男を御
亭主《ごていしゅ》に持ってはいないであろう。――半三郎はこう考えるたびに、どうし....
「或る女」より 著者:有島武郎
心持ちで聞かねばならなかった。耄碌《もうろく》したと自分ではいいながら、若い時に
亭主《ていしゅ》に死に別れて立派に後家《ごけ》を通して後ろ指一本さされなかった昔....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ね」 一四 幽霊 僕は小学校へはいっていたころ、どこの長唄の女師匠は
亭主の怨霊にとりつかれているとか、ここの仕事師のお婆さんは嫁の幽霊に責められてい....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
役所前の古道具屋で、青磁の香炉を一つ見つけて、いくらだと云ったら、色眼鏡をかけた
亭主が開闢以来のふくれっ面をして、こちらは十円と云った。誰がそんなふくれっ面の香....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、驚いた顔をしたのは、帳場の端に土間を跨いで、腰掛けながら、うっかり聞惚れていた
亭主で、紺の筒袖にめくら縞の前垂がけ、草色の股引で、尻からげの形、にょいと立って....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
でもない。お伽堂というのは、この女房の名の、おときをちょっと訛ったので。――勿論
亭主の好みである。 つい近頃、北陸の城下町から稼ぎに出て来た。商売往来の中でも....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の心情は一層不思議で、日頃自分を呵責むばかり、優しい言葉一つかけてくれぬ自堕落の
亭主を、心から愛する世話女房が、あちこちに発見される。 無論死は直ちに彼女を奴....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れば、この名は、そのむかしこの近隣の女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に
亭主連が村の居酒屋のあたりをぶらついてはなれない頑固な癖があったからだという。そ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
坐って、黙々とそれを食べていた。 夫婦の悲しい身の上ばなしを聞かされた旅籠屋の
亭主が、ある日、二人にこんなことを云った。 「俺も娘さなくした人を知ってるだがな....
「活人形」より 著者:泉鏡花
過さず赤城家に入込みて、大秘密を発きくれん。まずその様子を聞置かんと、手を叩きて
亭主を呼べば、気軽そうな天保男、とつかわ前に出来りぬ。「御主人外でも無いが、あの....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
は、高い声で話をしながら坂を登って行きました。二人は浜へ嫁に行っていた村の娘が、
亭主に死なれて帰って来たという話を、さもさも大事件のように力を入れて話していたの....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
鉢巻きをした船頭が一人一丈余りの櫓を押していた。それからお上さんらしい女が一人御
亭主に負けずに棹を差していた。こういう水上生活者の夫婦位妙に僕等にも抒情詩めいた....