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人がましい
「人がましい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人がましいの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
い近よると、揶揄するように言いました。 「真赤になっているところをみると、少しは
人がましいところがあるとみゆるな。わしはなにもそち達の邪魔をしようというのではな....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しておりました卑しい身分の者でござります。それで因果とでも申しますか、少しばかり
人がましいつらをしておりますんで――と申しちゃうぬぼれているようでございますが、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
当たらねえのは、お奉行さまがこの騒動を大あな(事件)とおにらみなすって、いくらか
人がましいあば敬とおれとのふたりに手配りさせようと、同じものを二通お書きなすった....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
りそめにもおれの懐中《かいちゅう》をあてにしてはいない。おれも今に返そうなどと他
人がましい義理立てはしないつもりだ。こっちがこんな心配をすればするほど清の心を疑....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
れッ。――来ぬかッ。笑止よ喃。独眼竜将軍政宗公がお手がけの城下じゃ。ひとり二人は
人がましい奴があろう。早う参れッ」 しかしかかって参れと促されても、三日月傷が....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
いるのだとおもえば、いい難い汚らわしさが感じられて来るのだ。
――このわしに、
人がましい心さえ持たせぬようにしたも、みんな、そなたの父親たちの悪業から――わし....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
、 「だって、他の者なら可いけれど、芳さんにばかりは奥様ッて謂われると、何だか他
人がましいので、頼母しくなくなるわ。せめて「お貞さん」とでも謂っておくれだと嬉し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、いつぞやおっしゃいました、この長い方は人を斬る刀で、短いのは物を刺す脇差だ、
人がましいものはこれで斬るが、女子供はこれで刺す――脇差で斬るのは畜生か、人間並....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
っており、しかもそのやり場に困って、彼はそれから三カ月以上も続けて、自分の娘に他
人がましい冷ややかな口をきいていた。
マリユスの方でもまた、憤って家を飛び出し....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
い、とその鏡を取って俯向けにして、男がぴったりと自分の胸へ押着けたと。 何を他
人がましい、あなた、と肩につかまった女の手を、背後ざまに弾ねたので、うんにゃ、愚....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
剥身屋の親仁に軽く会釈をしたが、その語気は、故郷人に対する親みぶりか、かえって他
人がましい行儀だてだか、分らないうちに、庇を離れて、辻で人ごみを出る内儀と一所に....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
筑紫と、菱川と、かれとの三人だけだった。――いえば別扱い。……そうした水臭い、他
人がましい、情の強い師匠になった…… そうなると自然、そこに芝居以外で顔を合せ....