»
人さし指
「人さし指〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人さし指の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
そうとするおぬしも、畜生ではないか。」
老人は、勝ち誇った顔色で、しわだらけの
人さし指を、相手につきつけるようにしながら、目をかがやかせて、しゃべり立てた。
....
「百合」より 著者:芥川竜之介
り》を見つけて来たぜ。」
金三は二本芽を表わすために、上を向いた鼻の先へ両手の
人さし指を揃《そろ》えて見せた。
「二本芽のね?」
良平は思わず目を見張った。....
「星座」より 著者:有島武郎
を机の上に戻しながら始めて座についた。そしてしばらくは手紙を開封することもなく、
人さし指を立てて机の小端《こば》を軽く押えるように続けさまにたたきながら、じっと....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
なひたいの上半を覆いかくすような髪のわけ方をしており、得意なときにも困つた時にも
人さし指をとがつたあごに持つて行つて、いかにも思慮ぶかそうに上眼を使つて考えた。....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
もたげた。そして両手を出して、手真似をはじめた。 はじめ白人看護婦を指して右の
人さし指を一本たて、こんどは梨花を指して左の
人さし指を一本立てた。そしてそれを向....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
れをうち消した。 「じゃ、ど、どうしたんです」 「しっ、――」 サチ子は、唇に
人さし指をたてて、なにごともいうなという合図をした。僕はそれをみてうなずいたが、....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
その答の意外なのに驚かされた。 「あいつがこれをやるんだよ。」 殺人君は親指と
人さし指との間をひろげて、それを自分の咽喉に当てて見せた。 僕はそのまま黙って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の表情を留めている例がない。咽喉のあたりに微かに掻き傷の痕がある。左の中指と右の
人さし指の爪が少し欠けけている。それらを綜合して考えると、主人は他人に絞められて....
「世相」より 著者:織田作之助
さずぎゅっと押えていたが、何思ったか急に、 「ああ辛気臭《しんきくさ》ア」と私の
人さし指をキリキリと噛みはじめた。痛いッと引抜いて、 「見ろ、血がにじんでるぞ。....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
としての不自由らしさがあって、彫刻に見るような堅い線が出て来ている。両手の親指・
人さし指に五色の糸らしいものが纏われている。此は所謂「善の綱」に当るもので、此図....
「おせん」より 著者:邦枝完二
ありゃァしねえ」 「冗談いわっし、お前の袂くそなんぞ付けられたら、それこそ肝腎の
人さし指が、本から腐って落ちるわな」 「あっしゃァまだ瘡気の持合せはござせんぜ」....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ている。その肉と爪の間へ、木綿針をつきさしている。小指からはじめて、薬指、中指、
人さし指に針をつきさゝれていた。二本の手は動かせないように、二人の把頭によって、....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
見しよりおのずと狎れし馴染みも今は薄くなりたる上、使僧らしゅう威儀をつくろいて、
人さし指中指の二本でややもすれば兜背形の頭顱の頂上を掻く癖ある手をも法衣の袖に殊....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
間、男は背後の戸棚に※りながらぽかりぽかり煙草をふかしながら、腮のあたりの飛毛を
人さし指の先へちょと灰をつけては、いたずら半分に抜いている。女が鉄瓶を小さい方の....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
れた穂高の峰々が、神経の電線に燃えついて、掻き消されそうもない、私は眼球の上へ、
人さし指を宛てて、グリグリとやって見たが、一、二尺の先を見つめるのが精々で、森の....