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人となり
「人となり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人となりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
。
四
彼は六高へはいった後《のち》、一年とたたぬうちに病
人となり、叔父《おじ》さんの家へ帰るようになった。病名は確かに腎臓結核《じんぞう....
「或る女」より 著者:有島武郎
どこの国なまりともわからぬ一種の調子が塩さびた声であやつられるのが、事務長の
人となりによくそぐって聞こえる。葉子はそんな事を思いながら事務長の言葉を聞き終わ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
その責任のために石を巻き、鉄を捩《ね》じ、屈すべからざる節を屈して、勤倹小心の婦
人となりぬ。その行ないにおいてはなおかつ滝の白糸たる活気をば有《たも》ちつつ、そ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
なら、私は明かにそれが誤謬であるのを自分の経験から断言することが出来る。本当に罪
人となり切る為めには、自分の凡てを捧げ果てる為めには、私の想像し得られないような....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
っと例の少ない並ならぬ三月であった。 身も心も一つと思いあった二人が、全くの他
人となり、しかも互いに諦められずにいながら、長く他人にならんと思いつつ暮した三月....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
居て恐しき処なるに、いかでこの可愛きもの近寄らしむべきとて留めたまいぬ。 亡き
人となりたまいて後は、わが寂しがるを慰めむとや、伯母上は快よく日ごとに出だしたま....
「出来上った人」より 著者:芥川竜之介
を評した時に詩人室生犀星には言い及んだから、今度は聊か友人――と言うよりも室生の
人となりを記すことにした。或はこれも室生の為に「こりゃ」と叱られるものかも知れない。....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
も候わん」と勧むるに、この事は他の業よりは望む所に近ければただちに承知して活版職
人となりぬ。 浅草諏訪町の河岸にて木造の外だけを飾りに煉瓦に積みしなれば、暗く....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
水彩画家になった人だが、この外に三人の妹があった。長女はもはやかたづいてライド夫
人となり、次女はサラといいて、妙齢二十一才、三女のジェンはまだ幼い子であった。フ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
かしくて機嫌の取りにくかったのは、家人からでさえ余り喜ばれなかったのを以てもその
人となりを知るべきである。 京伝と仲たがいした真因は判然しないが、京山の『蜘蛛....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
事になった。 私は――小山夏吉さん。(以下、「さん」を失礼する。俳人ではない。
人となりは後に言おうと思う。)と炬燵に一酌して相対した。 「――昨年、能登の外浦....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
……しかも酔っていて饒舌ったのである。実は友だちの私にもよくは分らない。が、その
人となりと、境遇との婦人には、私の分らないほども分らなかったろうと察しる。 「ど....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、父母その子に虎吉とか竜五郎とかいえる実名を与うるときは、その子自然に勇猛活発の
人となり、直吉とか順二郎とかいえる実名を与うるときは、その子自然に柔順正直の人と....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
氏は同郷にして、その出身の学校も同一なり。その当時の同窓はたいていみな隔世の
人となりたるに、海外において再度相会するは好縁というべし。当夕九時半、リバプール....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
動き移って、忽ちの間にその展望を没し去ることなどもある。私はいつの間にか白雲中の
人となり終っている。身に近い栗の木、榛の木などの幹にも枝にも綿のように垂れ下った....