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「人めかし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人めかしの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
侍さん、何ぼお困りでも、あんまり酔狂《すいきょう》が過ぎましょうぜ。」 急に町人めかした口調で、そういい出した唯七の袖を、新六は、懸命に引いて、 「止せ。相手....
浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
チ医師が往診すると、どこもなんともなくぴんぴんしているヘンリイ夫人が、すっかり病人めかして寝台に寝かされていた。医師はちょっと滑稽《こっけい》に感じて、癲癇《て....
道標」より 著者:宮本百合子
ように黒い紡績の靴下をはき、黒い服を着た若い彼女たちは、一重むこうの通りでは貴婦人めかした娼婦が綺羅をつくしてねり歩いているブル※ールの夕暮の裏通りを、さっさと....
」より 著者:梶井基次郎
ないんだ。そんな既に結核に冒されてしまったような風景でもなければ、思いあがった詩人めかした海でもない。おそらくこれは近年僕の最も真面目になった瞬間だ。よく聞いて....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
なかを、映画用微笑とともにゆるくドライヴして行った。そばに、巴里の新夫人――新夫人めかしてうつむいた――の肩に、ストウン・マアテンの毛皮が自動車の震動でこまかく....
恋愛論」より 著者:坂口安吾
り得ない。限られた一生に、永遠などとはもとより嘘にきまっていて、永遠の恋などと詩人めかしていうのも、単にある主観的イメージュを弄ぶ言葉の綾だが、こういう詩的陶酔....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
よってカボチャの実や、ハスの実を出され、習慣通り僕達がそいつを不器用に、その癖通人めかしく、前歯でパチンパチンと外皮を破って食べたことは云う迄もない。 蘭亭さ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
頼から、尠からぬ金力が密かに送られていたという。しかし、幸村自身は伝心月叟と世捨人めかして、草庵に質素な生活をしていたし、そんな莫大な金を費う途はない。 それ....