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「人倫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人倫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
い事がわかると、今度は大蛇《だいじゃ》とか一角獣《いっかくじゅう》とか、とにかく人倫《じんりん》には縁のない動物のような気がし出した。そう云う動物を生かして置い....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
ものがあった。 夫からの数度の嘆願にかかわらず、女房は返されなかった。重臣は、人倫の道に悖《もと》る所業として忠直卿を強諫《きょうかん》した。 が、忠直卿は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う女を殺したのは憎むべき所業である。殊に人間が畜生の交わりをしたなどというのは、人倫を紊《みだ》るの罪重々である。すでに死去したものは是非ないが、生き残った甚太....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
かし、自分は、正しくお八重の父の仇である。この事実を隠してお八重と結婚するのは、人倫の道でないと思ったからである。 といって、お八重に対する思慕は、胸の中に尾....
学生と教養」より 著者:倉田百三
の学であり、人間らしい行為の追求を旨としなくてはならぬ以上、実質的価値の倫理学は人倫の要求により適わしいといわねばならぬ。いずれにせよ、この形式主義か実質主義か....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
善に勝つかということほど純直な童心をいたましめるものはないからだ。 彼は世界と人倫との究竟の理法と依拠とを求めずにはいられなかった。当時の学問と思想との文化的....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
ず終わりを全うするのが美しく望ましいのはいうまでもない。この現実の世ではそうした人倫の「有終の美」は稀なだけにどんなに尊いかしれない。天智天皇と藤原鎌足のような....
婦人と職業」より 著者:倉田百三
、融合の愛と理解と感謝とに如何に大きな影響を持つかは思い半ばにすぎるものがある。人倫の根本愛の雛型である母子間の結紐を稀薄にすることが理想的社会の結合を暖かく、....
戦争論」より 著者:坂口安吾
度があるために、人間は非常にバカになり、時には蒙昧な動物にすらなり、しかもそれを人倫と称し、本能の美とよんでいる。自分の子供のためには犠牲になるが、人の子供のた....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
のは血液型による親子の決定である。 抑々忠孝といい、仁義といい、礼智信といい、人倫の根本となるべきものは親子である。所が、文化の非常に進んだ今日、未だ科学的に....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
も変らずに、ジーグフリードにむけ、ひたむきに注がれるクリームヒルトの愛は、いかに人倫にそむき、兄弟を殲滅し尽すとはいえ、その不滅の愛――ただ復讐一途に生きる、残....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
無理もないが、馬琴が京伝に頼った頃の何十年も昔の内輪咄を剔抉いて恩人風を吹かし、人倫とはいい難しとまで京山が罵るのは決して穏やかでない。小身であっても武家奉公を....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
その一種に「日の本」と云うのがあるとある。彼らは「形体夜叉の如く、変化無窮なり。人倫禽獣魚肉を食として、五穀の農耕を知らず、九訳を重ぬと雖も、語話を通じ難し」と....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
張って参り、自分の古い聟さんの承諾を得て多夫一妻になることも沢山ある。それでその人倫の紊れて居ることはほとんどいうに忍びないほどの事もありますけれども、チベット....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
する本務とを同視するは、奇怪千万と思った。 この一例によりても、西洋と日本との人倫の説き方の相違が分かる。また船客中の教員が、「日本の高等教育を受けたるものは....