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人出
「人出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
こう》を負っているといわなければならぬ。子供はもう六歳をかしらに、乳のみ児とも三
人出来ている。勿論誰はどの夫を父にするなどということはない。第一の夫はお父さんと....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
まだ金の足《た》りない時には赤い色硝子《いろガラス》の軒燈《けんとう》を出した、
人出入の少い土蔵造《どぞうづく》りの家《うち》へ大きい画集などを預けることにした....
「路上」より 著者:芥川竜之介
揺《ゆす》ってのそのそはいって来た。
「静だな。玄関で何度御免と言っても、女中一
人出て来ない。仕方がないからとうとう、黙って上って来てしまった。」
始めてこの....
「竜」より 著者:芥川竜之介
から、さも呆れ返ったように叔母の尼の方をふり向きますと、『いやはや、飛んでもない
人出でござるな。』と情けない声で申したきり、さすがに今日は大鼻を鳴らすだけの元気....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
から外へ、転じようとした。すると丁度その途端に、紙銭の積んである中から、人間が一
人出て来た。実際は、前からそこに蹲《うずくま》っていたのが、その時、始めて、うす....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
学問好き。 二 金沢なる浅野川の磧《かわら》は、宵々ごとに納涼の
人出のために熱了せられぬ。この節を機として、諸国より入り込みたる野師らは、磧も狭....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
閣も一門で組織し得るようにという遠大の理想があるんだ。また幸に、父様にゃ孫も八九
人出来た。姪を引取って教育しているのも三四人ある。着々として歩を進めている。何で....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
して、長靴を掴んだなりで、金歯を剥出しに、世辞笑いで、お叩頭をした。 女中が二
人出て送る。その玄関の燈を背に、芝草と、植込の小松の中の敷石を、三人が道なりに少....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
にも命にも替うる願あって、身命を賭物にして、推して草叢に足痕を留めた以来、とかく
人出入騒々しく、かたがた妨げに相成るから、われら承って片端から追払うが、弱ったの....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
らす。 ――迷児の、迷児の、迷児やあ―― 呼ばわり連れると、ひょいひょいと三
人出た……団粟ほどな背丈を揃えて、紋羽の襟巻を頸に巻いた大屋様。月代が真青で、鬢....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
泊を断るというじゃあねえか。二十一日の間拝ませた。二十一日目だったかな、おいらも
人出に浮かされて見に行ったっけ。寺の近所は八町ばかり往来の留まる程だったが、何が....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
くださいました。『地元の里はいうまでもなく、三|里五|里の近郷近在からも大へんな
人出で、あの狭い海岸が身動きのできぬ有様じゃ。往来には掛茶屋やら、屋台店やらが大....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
なしである。何の得る所なき自己陶酔、キザな神様気取りの、聖者気取りの穀潰しが、一
人出来上る丈である。日本国民は、一時も早くそんな陋態から蝉脱して、一歩一歩向上の....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
たのは二十二の春――弥生ごろだったと思います。その夏、土用あけの残暑の砌、朝顔に
人出の盛んな頃、入谷が近いから招待されて、先生も供で、野郎連中六人ばかり、大野木....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
やら、洋服やら、束髪やら、腰に瓢箪を提げた、絹のぱっち革足袋の老人も居て、大分の
人出。その中にもお夏さんが見えますまい。 はてな、巣鴨の通へ出てしまったか、余....