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人定
「人定〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人定の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
仄かに感じ合っているのだ。唯お互いに内気だから打ち明けずにいるのだわ。」と云う一
人定めの思想を抱いているのが確かであった。女は早く私から「甘い苦しみ」と云う奴を....
「安井夫人」より 著者:森鴎外
《ともしび》に向って、篠崎の塾から借りて来た本を読んでいるうちに、半夜《はんや》
人定まったころ、燈火で尻をあぶられた徳利の口から、蓬々《ほうほう》として蒸気が立....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ほどゆえ、大いに繁昌を極めました。凡夫盛んに神祟りなし、人盛んなる時は天に勝つ、
人定まって天人に勝つとは古人の金言|宜なるかな、素より水泡銭の事なれば身につく道....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ある夜更けて、二三の番僧が、棒を構えてこの廊下に待受けていた。今宵も例によって
人定まるを待ち、本尊の油を盗んで、この廊下を戻る篤学の雛僧《すうそう》。それとは....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
たろう。 公判第一日の速記録によって被告たちの陳述をあとづけてみる。 午前の
人定尋問の時、立って「この公判は重大であるから公判の検事ならびに裁判長以下裁判官....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もないので、兵馬は引返すうちに夜になりました。 どてらを重ねて夜の寒さを防ぎ、
人定まった後というけれど、昼のうちからほとんど人の定まったようなところを、兵馬は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て見ると、少なくも一世紀の昔へ返して見ることができるものですから、まして夜更け、
人定まった際においては、都会の真中にあってさえ、太古の色をぼかして見せることもあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っていた者は、お腹に異状があると指摘されてから後のお雪ちゃん――それと、深夜全く
人定《ひとさだ》まった時分に、ひとり身を浸している盲目の剣人――それらの人に限っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。操細工《あやつりざいく》でなく、化け物でない限り、床の間の置物が、いくら夜更け
人定まったからといって、ひとりで動き出すというようなことは、万あるべきことではな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が出来たと見えて、重役が主人の許《もと》へ出て来ました。 「このたびの流鏑馬のお
人定めは、誰をお指図でござりましょうや……就きまして我々共、容易ならぬ心配を致し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い立ったけれども、今となっては、もうそんな心持はないらしい。 四隣《あたり》、
人定まった時に、過去のことと人とを思い出すことが彼にとっては、ひたひたと四方から....
「日記」より 著者:宮本百合子
った。殆ど私が退屈した程、何と云う事はなし、私の周囲の事情から自分が全くたった一
人定まった先手の星を持って多勢のものが迷うて居る中をかきわけて行こうとする生活の....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
なせません。」 渠は窈窕たる佳人であった。この窈窕たる佳人は、山の井医学士の夫
人定子であることを――ここで謂おう。 医学士は衝と進んで、打まかせたような、お....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
、不文の小生に候えば、しばしば文の支離錯雑の段は、御判読を願いたく候。 三更、
人定まり、四隣寂として声なし。小鳥、小生の枕辺に来たり、小生に訴えて申すよう、「....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
は、建久九年後鳥羽天皇御譲位の後にはじめて廻ってきたことである。しかし、これは一
人定家にとどまらず、多くの歌人にとってそうであった。御譲位になると、院は正治二年....