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「人寄せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人寄せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
安重根」より 著者:谷譲次
。そうしてくれたまえ。 クラシノフ 救世軍の前でやろうじゃないか。やつらの楽隊を人寄せに利用するのだ。 鄭吉炳 しかし、咽喉が耐りませんよ。あの太鼓とタンバリン....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
がともり、それを取り巻いて踊りの輪がめぐるのである。まだ宵のうちは帳場の蓄音機が人寄せの佐渡おけさを繰り返していると、ぽつぽつ付近の丘の上から別荘の人たちが見物....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
声。 「あれは何だろう」 「あれはお慶《めで》たいことでござんす」 「はあ、何か人寄せがあるな」 「この山の上の望月《もちづき》様という郷士《ごうし》様のお邸へ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
、義士が打入りの石版絵を張廻わして、よぼよぼの飴屋の爺様が、皺くたのまくり手で、人寄せにその鉦太鼓を敲いていたのを、ちっと前に見た身にも、珍らしく響いて、気をそ....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の、やっぱり記念碑を建てる事になったんです。」 「ははあ、和尚さん、娑婆気だな、人寄せに、黒枠で……と身を投げた人だから、薄彩色水絵具の立看板。」 「黙って。…....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》も、神仏混淆《しんぶつこんこう》のチグハグなもので、あたり近所から、借り集めて人寄せに間に合わせるという気分が、豊かに漂うのであります。 それよりも大切なこ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
をかいて、真鍮のコップみたいなものを二つ並べて伏せては、大声に呶鳴っているのだ。人寄せの呪文であろう。 がら・がら・がら・がら ぶるるるるるるるるる Brrr....
家なき子」より 著者:楠山正雄
行は失敗になるのではないかと心配していたところであった。かれの仕事にはにぎやかな人寄せの音楽がなければならなかった。 わたしたちはそこでかれの手伝いをしてやろ....
話の種」より 著者:寺田寅彦
屋根の上に備えた風見鴉から針金を引き電池一個を接続すればよい。店先きに備え付けて人寄せの広告などに使ったら妙だろう。 (明治四十年十月一日『東京朝日新聞』) ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
ど、銚子までね」次郎吉は腕を組んで考え込んだ。 「ははあわかった。これはこうだ。人寄せの符号に相違ねえ。仲間へ知らせる人寄せ符号だ。……なんだかちょっと気になる....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
のエッセンスにて火を灯し、草と砂糖を調じて鉱山用のドンドロを合せたなどは、ほんの人寄せの前芸に過ぎない。その技工の妙を伝聞して、当時の藩主の命じて刻ましめた、美....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
も、東京からいらしったんでは。」ために勢が挫けたそうで、また胡坐で、 「これでも人寄せの看板になるんですから、出迎やなんか、その支度もあったんだろうが、……その....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
なかった時代である。電灯や瓦斯灯の使用も、官省、銀行、会社、工場、商店、その他の人寄せ場に限られて、一般の住宅ではまだランプをとぼしていた時代である。したがって....
世間師」より 著者:小栗風葉
第書を、駿河半紙二切り六枚綴の小本に刷って、それを町の盛場で一冊三銭に売るのだ。人寄せの口上さえうまければ相応に売れるものだそうで、毎晩夕方から例の塗柄の馬乗提....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
いたり、まだ十分の落ちつきは得られなかった。甲板での活動写真の催しも、いたずらに人寄せの技師が不馴れで、ただ急造の白幕に白い円ばかりを出して、そのままコチコチコ....