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「人後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
思わずその八百屋の前へ足を止めた。それから呆気《あっけ》にとられている田中君を一人後に残して、鮮《あざやか》な瓦斯《ガス》の光を浴びた青物の中へ足を入れた。しか....
将軍」より 著者:芥川竜之介
てるくらい?」――彼は内心そう思いながら、うっとり空へ眼をあげた。そうして今夜は人後に落ちず、将軍の握手に報いるため、肉弾になろうと決心した。…… その夜《よ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
游泳を学ばないものは満足に泳げる理窟はない。同様にランニングを学ばないものは大抵人後に落ちそうである。すると我我も創痍《そうい》を負わずに人生の競技場を出られる....
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
黒ぐろとした蔭《かげ》になっている。その方で蝉がジッジジッジと鳴いた。 彼は一人後ろになって歩いていた。 彼がこの土地へ来てから、こうして一緒に出歩くのは今....
地球盗難」より 著者:海野十三
た大きな人物だ。頤髭を生やしているよ」 「ウン、正にそのとおり。――オヤ、もう一人後から出て来たよ。おう、これは可笑しい。なんだ、あれは辻川博士じゃないか」 「....
自叙伝」より 著者:大杉栄
。 しかし腕力とか暴力とか、またはそれにもとづく勢力とかの上では最初から決して人後に落ちなかった。もっとも単なる腕力では、せいの順で右翼から十四、五人目の僕は....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
。がどうだって構わないんです。僕だって、マルクスやレーニンに関心を持つことは敢て人後に落ちないつもりですからな。僕あ、趣味としてはことごとく在来の日本人だけれど....
火星兵団」より 著者:海野十三
た人間であることに変りはない。だから地球人類が栄えるように、ねがうことについても人後に落ちない。しかし、今までそのことを誰にも話をすることが出来なかったのだ。な....
火薬船」より 著者:海野十三
打をくらったので、びっくりした。だが、竹見は、こういうときのしぶとさについては、人後におちない自信があった。 (ふン、なにをぬかすか) と、口の中でいっていた....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
れでおとうさんが勉強を見ていましたが出征しなすってからはおかあさん、かあさんが軍人後援会へいくようになってからは、ひとりで勉強します。性質は勤勉で家事が好きで、....
久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
態度を悉理解すること能わず。然れども君の小説戯曲に敬意と愛とを有することは必しも人後に落ちざるべし。即ち原稿用紙三枚の久保田万太郎論を草する所以なり。久保田君、....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
、そのつもりでなくても、必死の努力によって才能を磨くという点では、知らず識らず、人後に落ちる傾向が強いとされています。 フランスの有名な俳優の教師ブレモンが指....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
上杉謙信の小荷駄方に紛れ入って、信州甲州或は関東地方にまで出掛け、掠奪に掛けては人後に落ちなかったが、余りに露骨に遣り過ぎたので、鬼小島弥太郎に見顕されて殺され....
河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
と思っているまでではあるが。とにかく、誰がなんといっても美食没頭の体験においては人後に落ちない自信を有している。従って、あらゆる美食を尽くしていると告白するに躊....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
の妻を死の手に奪われてしまったんだ。もう再び妻と逢う機会は永久にないんだ。私は一人後に取り残されたんだ。死んで行く者よりも、後に取り残された者のいかに惨めだかを....