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「人恋しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人恋しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
津の初秋! それは全く、日本海特有のさびしい景色《けしき》であった。さらでだに、人恋しい船のりは、寂しい人なつっこい自然の情景の前で、滅多に来る事のない直江津の....
朱日記」より 著者:泉鏡花
、抜けた。 下闇ながら――こっちももう、僅かの処だけれど、赤い猿が夥しいので、人恋しい。 で透かして見ると、判然とよく分った。 それも夢かな、源助、暗いの....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
えて、生きているというばかりのような心細いことが書いてある。ただ、昔を思うたびに人恋しい、もはや生前に面会することもあるまいかと書いてある。「貴君には、いまだ御....
丹下左膳」より 著者:林不忘
て、道路のむこうを、猫が一匹ノッソリと横切ってゆく。 寝しずまった巷には、この人恋しい夜にもかかわらず、粋な爪弾《つめび》き水調子も、聞こえてこない……。 ....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
のような鶴の声。塒を求める群鴉の啼音が、水田や木蔭や夕栄の空から物寂く聞えて来て人恋しい時刻となりました。 尚老人は歩いて行く。で四郎も走って行く。こうして半....
夜光虫」より 著者:織田作之助
かもわからないのだ。 それだけになお一層、焼跡の中のブルウスカイの灯は、豹吉の人恋しい心をしびれるように甘く、なつかしく、温めた。 「珈琲出来る……?」 扉....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。 ――いつか朧な月が、多宝塔の水煙のあたりにさし昇っていた。行きずりの人でも人恋しい夜頃ではあるし、権之助は、去り難てな心地になって、 「おふた方には、この....