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人払い
「人払い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人払いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
十五日の総出仕が二三日の中に迫った時の事である。修理は突然宇左衛門をよびよせて、
人払いの上、陰気な顔をしながら、こんな事を云った。
「先達《せんだって》、佐渡殿....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
《ひる》過ぎに、忠通は桂の里から屋形へ帰った。きのうの接待に疲れたといって、彼は
人払いをしてひと間に引き籠っていたが、点燈《ひともし》ごろになって少納言信西を召....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
はことごとくお待ちかねでしたので、右門参着と聞くやただちにご寝所へ通して、刻下に
人払いを命ずると、すわるもおそしと声をかけました。 「遠路のところわざわざ呼びだ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でござりまするか。では、ちとご内聞に申し上げとうござりますので、そちらのかたをお
人払いを願いとうござりまするが、いかがなものでござりましょう」 「だいじょうぶ、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ひとに聞かれますると人命にかかわりますることでござりますゆえ、できますことならお
人払いを――」 「ぜいたくいうねえ! 啖呵《たんか》のききもいいが、よしっ引き受....
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
は、早速ながらそのご発明というのを伺いましょう」 「待った。発明は極秘である。お
人払いが願いたい」 「お
人払い? 給仕の外に、誰もいませんが……」 すると客は....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
とは知らぬ王老師とは、医師の手当の甲斐あって間もなく前後して、目を覚ました。 「
人払いだ」 醤は、目が覚めるや、大声を発した。 居候なりとはいえ、今を時めく....
「盈虚」より 著者:中島敦
れば宜《よ》い訳だ。…… 其の部屋の何処かに密偵が潜んでいたものらしい。慎重に
人払いをした上での此の密談が其の儘太子の耳に入った。 次の朝、色を作《な》した....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
と、残額をクーツ銀行宛の小切手にしたのとを持って出て来たんです。その小切手は持参
人払いに振出したもので、ある名前が署名してありました。その名前がこの話の要点の一....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
喜「はゝア」 右京殿は四辺を見廻し、近習に向い、 右「暫く遠慮いたせ」 お
人払いの上、喜代之助にお向いなされ、 右「喜代之助、そちを呼んだのは別儀ではな....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
おりましたが、重ねて不調法をはたらいてはと心痛いたしましてな。で、まア、本日はお
人払いの上、心おきなく読経させていただきたいと存じまして参上いたしましたような次....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
月ほど経て、兵頭一力が上京したときに、彼は時計館の別館にただひとり一力を訪ねた。
人払いをもとめて、静かに対坐し、 「私は警官ではないのです。別に犯人をあげたいと....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
「ちと、内談を――」
「ひやかせば――内談か、聞こう」
「申しかねまするが、御
人払いを――」
「
人払い?」
将曹の顔が、一寸険しくなった。
「余人はおらぬ、....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
六 天城屋敷の池田出羽の許へ早馬で駈着けたのは野末源之丞。奥書院にて
人払いの上、密談の最中。池田出羽は当惑の色をその眉宇の間に示しながら。 「シテ、....
「審判」より 著者:カフカフランツ
裕すらなかった――二人だけで少し話したいことがある、とKに頼んだ。 「どうしても
人払いが必要なんだ」と、叔父は苦しげに唾をのみこみながら言った。「わしの安心のた....