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「人気取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人気取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
手になるもののみが真の高貴な歌謡だと思うのはまちがいであろう。私はそうした妙な詩人気取りはきらいである。 ほんとうを言うと、民謡とか童謡とかいうものは、たとえ....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
すれば、アバタの穴をよく見んための提灯代りの松明か」 と、例によって怪しげな詩人気取りの、あらぬことを口走り、よもやその松明が土龍、井守、蝮蛇の血に、天鼠、百....
うつり香」より 著者:近松秋江
間を置いて、お宮が病気で休んでいるという葉書をよこしたので、私は親切だてに好い情人気取りで見舞かたがた顔を見にいった。 平常でさえ賑やかな人形町通りの年の市は....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
れはとに角、政友会が災害予算の追加を招牌に掲げたのは、云うまでもなく政党としての人気取りの政策なのだが、それも単に一般世間や特には市民達の国防予算過大に対する反....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んだろう」 「そんなことだろうと思うよ。その子供がまた、ばかにマセた子供でね、主人気取りで、俺らを使い廻す気になっていて、うっかり坊ちゃんなんと言おうものなら、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たことの卑吝慳貪《ひりんけんどん》を並べ、そのくせ、自分はいっぱし仁術めかして聖人気取りでいるが、今度の道中なんぞも、従者の目をかすめて宿場女郎を買い、或いは飯....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
恥だ。しかるにこの芝居は海老蔵だけが浮き上って、重太郎は出て来ない、この海老蔵は人気取りの場当り役者で、決して名優の部類ではないぞ」 仏頂寺弥助がこういうと、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の寵者《おもいもの》だ、親爺の召使の一人だから、自分にも召使の分限だ――という主人気取りは多分に残されてあるが、さて、この女に対すると、どうも一目を置きたがる。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ですから堪りません、悪《にく》まれます――しかし、駒井さん、薄っぺらの、雷同の、人気取りの、おたいこ持ちの、日和見《ひよりみ》の、風吹き次第の、小股すくいの、あ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
罪説の迷妄を説き、天則の厳守をすすめ、守護霊の存在を教え、永遠の向上進歩を叫び、人気取りを生命とする一切のデモ教団を斥け、又啓示に盲従することの愚を諭す等、正に....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
宗教教育、去勢された福音書、無味乾操な骨抜きの新約書……いつも眼に涙を浮かべてる人気取りの人道主義……。だが、大革命、ジャン・ジャック・ルソー、ロベスピエール、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
もまた一種の文学である。 執筆中に彼は非常に激昂していた。そうして、彼の執った人気取りの雑誌張りの文体が、よけい彼の感情をそそった。それから二ヵ月後には、仕事....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
彼は忽ち有名なものになってしまった。それのみならず、彼は非凡の辣腕家で、一面その人気取りに抜け目なく働いたので、壮士俳優に川上音二郎あることを早くも東京人に認め....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
想像していた。尤もこういう風采の男だとは多少|噂を聞いていたが、会わない以前は通人気取りの扇をパチつかせながらヘタヤタラとシャレをいう気障な男だろうと思っていた....